約 2,288,097 件
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/510.html
涼宮ハルヒ無題1 涼宮ハルヒ無題3 涼宮ハルヒの停学 涼宮ハルヒの改竄 涼宮ハルヒの入学 涼宮ハルヒの異変 涼宮ハルヒの悲調 花嫁消失 ハルヒの想い 世界の終わりに 涼宮ハルヒの赤面 ‐ 涼宮ハルヒの羨望 ‐ ハルヒの実験 涼宮ハルヒの秘密 プリンとケーキ 星に願いを 涼宮ハルヒの猛暑 涼宮ハルヒの結婚前夜 涼宮ハルヒの泥酔 長すぎる10分間 涼宮ハルヒの願望 涼宮ハルヒの憂鬱キョンとハルヒの絆 10月8日、曇りのち雨 閃光のハルヒ 涼宮ハルヒの預かり物 涼宮ハルヒのデート騒ぎ? それは誤解で勘違い 何よりも宝物 超能力 涼宮ハルヒの計算 涼宮ハルヒの嫉妬 ミニチュアハルヒ ベル 3点セット 涼宮ハルヒのネコ にわか雨の訪問者 ハルヒの寝言 涼宮ハルヒの独善(シュール・BadEnd?) 涼宮ハルヒの情熱 涼宮ハルヒの出産 あの日からの願い Amemorywithouttheend 涼宮ハルヒの日記 涼宮ハルヒの小説 ただの人間 ヒント キョンの死…そして 悩みの種 続く空 涼宮ハルヒの仮入部 はい、メガネon 【時のパズル~迷いこんだ少女~】 涼宮ハルヒの後悔 (BadEnd) 涼宮ハルヒの恋心 涼宮ハルヒの誤解 涼宮ハルヒの出会い 缶コーヒー、ふたつ LOST 恋の病・恋の熱 ステビア(ステビオシド) お祭りの後で 涼宮ハルヒの場合 彼岸花(微グロ・微鬱・BadEnd注意) loveandmusic もう一つのサムデイ・イン・ザ・レイン 初めてのデート すれ違いの恋 涼宮ハルヒの恋人 最初のデート 涼宮ハルヒのX-FILES 本の虫 サムデイ・イン・ザ・レイン(WhileKyonwassleeping) alongwrongway wishuponastar ~涼宮ハルヒがデスノートを拾ったら~ (Bad End) いじっぱり 甘えん坊モード キョンになっちゃった 眠れない夜とイタズラ電話 敬愛のキス fundamentallove やすらぎ 白い天使 サムナンビュリズム 涼宮ハル○の憂鬱 涼宮ハルヒはしあわせ(BadEnd注意) 浴衣とお祭り 言えないよ 愛のかたち 渋皮やさしく剥いたなら 涼宮ハルヒのライバル クリスマスプレゼント 教科書と嫉妬 涼宮ハルヒの告白 完全ウリジナルストーリー 涼宮ハルヒの労い
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/558.html
太陽がサボっているせいなのか、4月も近いというのに真冬並みに冷え込んでいた。 俺が外出という選択肢を排除し、家でぬくぬくと快適に過ごそうと決めたまさにその瞬間に携帯がうるさく鳴り出した。 携帯に表示されていた名前はやはりあいつだった。 「もしも・・・」 「今からあたしんちまで来なさい!!大至急よ!!5秒で来なかったら死刑だからねっ!!」 やれやれ、ったくあいつはいつも勝手だな。 悪態をつきながらも、せっせと出かける準備をする。 さてと、行くか。・・・って、おい。 俺はハルヒの家の場所なんか知らんぞ。しょうがない、ハルヒにかけ直すか。 と、携帯を手に取ったときに家のチャイムの音がした。 「キョンく~ん、ユキちゃん来てるよ~」 妹が満面の笑みを浮かべて俺の部屋に入ってきた。 「どこ行くの~?ユキちゃんと二人ぃ~?エヘヘ~」 こいつは何か勘違いをしとるな。 「俺はハルヒの家に行くんだ。長門もおそらく呼ばれたんだろうよ」 「ハルにゃんのとこ?あたしも行くっ!」 「お前はおとなしく待っていなさい!」 「ぷ~!いいも~んだっ!シャミ~遊ぼ~」 やれやれ、いちいち疲れるな。 おっと、長門を待たせてるんだったな。 玄関を出るとやはりそこにはいつもの制服姿の長門がいた。 「長門、何か用か?」 「涼宮ハルヒに呼ばれた」 「そうか、お前もか。でもここはハルヒの家じゃないぞ?」 「知っている」 「じゃあなんで・・・」 「あなたは涼宮ハルヒの家を知らない。だから私が迎えに来た」 「長門・・・、いつも悪いな」 「いい」 さすがは長門だ、何でもお見通しだな。しかしまた迷惑かけちまったな。今度美味いカレーでも奢ってやろう。 それから長門の案内でハルヒの家に向かった。 「そういや長門、ハルヒの奴なんか言ってたか?」 「何も」 「そうか」 やはりハルヒはハルヒか。 「でも、ひどくあわてている様子だった。」 そうだったか?俺には怒鳴っているだけにしか聞こえんかったがな。 それにしてもあのハルヒがあわてるだって?一体なんだってんだ? これがハルヒの家か。結構でかいな。意外とあいつもお嬢様だったりするのか? ハルヒの家に着くとそこには見知った二人がいた。 「おや、あなた方も呼ばれていたのですか。いや、やはりと言うべきでしょうね。フフっ」 笑顔の気持ち悪い奴だ。その笑い方、こいつ事情を知ってやがるな。 「あ、キョン君、長門さんもこんにちは~」 にこっ。 あぁ、朝比奈さんの笑顔を見てると暑さなんて吹っ飛びそうだ。 挨拶もそこそこにして、いよいよチャイムを鳴らす。 さぁ、何が出るんだ?鬼か?蛇か?何でも来い! 数秒後、ドアが壊れていないか心配になるほどの轟音とともにハルヒが姿を現した。 泣き喚いている赤ん坊を抱いて。 「みんな、よく来てくれたわね!あたし1人じゃ手に負えなくってさ。」 「あ~、ハルヒ。お前に子供がいたのには驚いたが、いじめるのはよくないぞ、そんなに泣かせて。」 「このバカキョン!あたしの子供なわけないでしょうがっ!親戚の子供を預かってるだけよ。」 ハルヒの話を聞くに、親戚の子供を預かっているのだが、ハルヒの両親も出かけなくてはならなくなったらしく 1人で面倒を見ることに限界を感じたらしい。 「しょうがないじゃない。子供育てたことなんてないんだからさ。」 そりゃそうだ。俺だってこんな状況になったら、とにかく応援部隊を呼ぶだろうよ。 「とにかく入って。すんごい寒いし。」 そういって俺たちはハルヒの部屋に向かった。 「え~っと、まずは自己紹介ね!」 部屋に着くなり自己紹介をしだした。まずは泣き止ませることが先だろうが。 「この子は平野綾ちゃん!まだ1歳にもなってないわ。生後6ヶ月とか7ヶ月とか……まぁそのへんね。」 「みんな!よろしくねっ!」 「ふぎゃあぁぁぁぁぁ~!!」 なにがよろしくねっ、だ。ものすごい勢いで泣き続けてるぞ。 「しかし呼ばれたはいいが、俺には何も出来そうにないぞ。」 「ほ~ら綾ちゃん、あのまぬけ面を見なさい!きっと楽しい気分になって泣くことなんて忘れるわっ!」 お前はそのために俺を呼んだのか。ハルヒの思惑とは裏腹に、赤ん坊は一向に泣き止む気配は無い。 「おっかしいわね~。これで泣き止むと思ったのに。」 おかしいのはお前の頭のほうだろ。 「とにかく色々試してみましょう!まずは古泉君っ!まかせたわ!」 こいつはもしかして楽しんでるんじゃないか? 「分かりました。僕に考えがあります。」 ほう、余計な知識は豊富なこいつのことだ。きっと赤ん坊を泣き止ます方法も知っているんだろうよ。 ゴソゴソ、古泉は鞄の中からスプーンを1つ取り出し、赤ん坊の前に置いた。 まさかな。というかこいつは常時スプーンを携帯しているのか?それともやはり事情を知ってて準備してきたのか。 「綾さん。このスプーンをよ~く見ていてくださいね。」 ふぅ~っと、ひとつ大きなため息をついた後、カッ!と目を見開かせて 「ではいきます!マッ…『ふぎゃあぁぁぁぁぁ~!!』」 何も出来ずに拒否反応を見せられ、さすがの古泉もかなりヘコんだようだ。今のは同情してやろう。南無。 「古泉君じゃダメみたいね。う~ん……、そうだわ!赤ちゃんと言えばやっぱりおっぱいよね!」 朝比奈さんが本能的に体をビクッと震わせた。俺にもこいつが何したいのか手に取るように分かるぜ。 「みくるちゃん!あなたが一番母乳出そうね。さぁっ!脱ぎなさ~い!!」 「ふぇ!?い、いい嫌です~!うぅ~。」 「ほらほら、さっさと脱ぐの!綾ちゃん待ってるじゃないの。」 「で、でも~!私まだおっぱいなんて出ません~。そ、それに……」 チラっとこちらの方を見る朝比奈さん。そりゃそうだ。この状態じゃあいくらなんでもな。 「古泉、早く出……『出てけぇ!!』」 せっかく穏便に出て行こうとしたのにハルヒに蹴飛ばされるようにして部屋から追い出された。 「さぁみくるちゃん。邪魔者はいなくなったわ。」 「う、うぅ~」 あぁ~、今頃朝比奈さんは授乳で悪戦苦闘しているのだろうな。そんなことを想像していた。 「あ、……ん!あ、赤ちゃんって、ふぁ…吸うの…強いですぅ~。」 どうして俺は録音機材を持ってきてないんだろう?人間てのは無力だな…。 「入っていいわよ。」 赤ん坊は泣き止んではいたが、いつまた泣きだしてもおかしくない顔をしていた。 もっとも朝比奈さんは顔を真っ赤にしながら泣いていたが。 この子が女の子で良かった。男だったらいくら赤ん坊でも許すことは出来んだろう。 「う~ん、一応泣き止んではくれたけど、まだ何か足りないわね。」 確かにこのままでは泣きだすのも時間の問題だろう。 「有希、とりあえず何かしてみてちょうだい。」 コク、と長門式うなずきをした後、長門は赤ん坊を凝視し始めた。 じー…… おい、そんなに睨んでやるな。状況が悪化する。 「まかせて」 そう短く答えると、驚くべきことに、長門は赤ん坊のおしめを変えたり、ミルクを作ったり さらには赤ん坊を優しく抱きかかえ、子守歌まで歌いだした。 「もう大丈夫」 赤ん坊はすっかり気持ちよさそうに眠ってしまった。 「長門よ、一体どこで子守術なんぞ習得したんだ?」 「図書館の雑誌に書いてあった」 雑誌?長門は雑誌なんかも読むのか。すると続けて言った。 「ひよこクラブ」 その後、赤ん坊もすっかり落ち着いたところで、みんなは解散することになった。 俺を除いてだが。 「なぁハルヒ。なんで俺だけ残らにゃならんのだ?」 「うるさいわねぇ!男がそんな小さいこと言わないの。」 「へいへい」 ハッキリ言って俺が残る理由が分からなかった。 ハルヒもまた赤ん坊とタイマンになるのは心細かったのか? だとしても俺なんかより長門を残せばいいだろうに。 俺なんか残ったってなんの役にも立たんぞ。 「ミルクとか他は有希が用意してくれたからなんとかなるわ。 後はうちの親が帰ってくるのを待つだけね」 しばらくすると赤ん坊は起き出してまたぐずり始めたが そこは秀才なハルヒである。長門がどうあやしていたかをちゃんと見ていたようだ。 気がつけば、すっかり日も暮れて夜になっていた。 赤ん坊にミルクをやると同時に俺の夕飯まで用意してくれた。 それはもう絶品だったね。 「さて、ミルクもあげたし。そろそろお風呂に入れないと」 俺は風呂と言う単語聞き、あからさまに反応してしまっていたらしい 「キョン~、もしのぞきでもしたら即刻死刑なんだからね!!」 「わかったわかった。のぞかないでやるからさっさと入って来い」 ハルヒはもう一度俺に釘を刺してから風呂場へ向かった。 俺はハルヒが風呂に入っている間、健全な男子高校生なら 仕方がないであろう、ハルヒの入浴姿を想像しながら悶々としていた。 ハルヒは自分の部屋で休んでろと言ったので、俺は今ハルヒの部屋にいる。 さっきみんなでいたときは気づかなかったが、いい匂いがするな。 俺は疲れた体を休ませるべく、吸い込まれるようにハルヒのベッドに横になった。 これまたとんでもなくいい匂いだった。 ガチャ、とドアが開き、風呂上りのハルヒが赤ん坊を抱いて部屋にやってきた。 俺は風呂上りのハルヒの姿を見て、さらに興奮してしまっていた。 「あんたも入ってきたら?」 「あぁ、そうさせてもらう」 そして俺は風呂に入った。まず俺は髪から洗った。 涼宮家のシャンプーはやや高級な品なのだろう。 スーパーでは見たことのないものだった。 そして体を洗う。最初は左手から洗い、左足、右手、右足と洗っていく。 まず四肢を洗い終えてから体を洗うのが俺流だ。 「それにしてもボディーソープも高いやつなんだろうな」 そんな独り言をしてしまうほどいい匂いだった。 そして涼宮家の風呂を一通り満喫した俺は、風呂を後にした。 ふぅ~、気持ちよかった。 俺は体をタオルで拭きながらさっさと自分の服を着ようとした。 のだが、無い。服がなくなっている! 「なんで俺の服がないんだ?」 思わず自分に聞いてみても答えは返ってくるはずもなく 俺は途方にくれた。 俺は確かにここに置いといたはずだ。なくなってるということは ん?まさかハルヒが?まさかもなにもこんなことをする奴はハルヒしかいないだろう。 フヒヒ、こんなイタズラをするハルヒには俺がもっとすごい悪戯をしてやるぜ。 俺は素っ裸の状態でハルヒの部屋に向かった。 それにしても他人の家で素っ裸で行動するのは落ち着かないな。 ハルヒの部屋に着いた。 ハルヒよ、悲鳴をあげてももう遅いぞ。 悪いのは全部お前なんだからな。 さぁ、覚悟は出来てるんだろうな! ガチャ、とドアを開けると そこには赤ん坊と寄り添って気持ちよさそうに寝ているハルヒがいた。 ハルヒの横には俺の服が置いてあった。 イタズラしたはいいが、疲れが溜まって眠ってしまったのだろう。 俺はハルヒと赤ん坊に毛布をかけてやり、ハルヒの隣に横になって寝た。 翌朝 「ん~っ!よく寝た!」 あたしいつの間に寝ちゃったんだろ? あ!キョ、キョンの服隠したまんまだった!! ど、どうしよ~。キョン怒ってるかな? そんなことを考えていると、横からイビキが聞こえてくる。 キョンいつの間に?あ、この毛布キョンが…。ありがとね、キョン。 「……ん?………ッイヤアァァァァァ!!」 「うお!?なんだ!どうしたハルヒ!?」 「あんた何で素っ裸なのよおッ!!」 終わり
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/563.html
キョン(今日はSOS団市内不思議探索パトロールの日だ。) ハルヒ「」くじ引きで分けるから引いて。」 キョン(そして俺はハルヒと当たっちまった。) ハルヒ「行くわよ。キョン。絶対不思議探してね皆。」 探索中 キョン「ハルヒ。不思議って言ってもどうやって探すんだ」 ハルヒ「普通に探すの。こんな事もわからないの?」 キョン(御前としての普通って何だよ。) 6時間後 キョン(やっと終わったぜ。) ハルヒ「今日の市内不思議探索パトロールはこれにて終了!!」 キョン(ようやく帰宅できるぜ。この事が待ちどうしかったよ。) ハルヒ「あれ?雷落ちてるじゃない。早めに帰らないとね。」 キョン「おい、ハルヒ。ちょっと涙目になってるけど雷怖いのか?」 ハルヒ「当たり前じゃない・・・あっさっきの無しね。忘れなきゃ死刑だから。」 キョン「忘れられるか。ハルヒも可愛い所あるな。」 ハルヒ「忘れてよ。じゃあ元々可愛くないわけ?デパート寄るからキョンも付いて来て。」 キョン「はいはい。(断ったらどうなるかわからないからな)」 ハルヒ「おいしそうな物があれば絶対買うからね。勿論あんたのお金で。」 キョン「俺の金でかよ。」 ハルヒ「当たり前じゃない。あんたも神聖な団長様にお金を使わない賢い人になりなさい。」 キョン「はいはい。で?何を買えばいいんだ?」 ハルヒ「ノートパソコン買ってくれたらうれしいけど。食材でいいわ。」 1時間後 キョン(疲れた。重い。買いすぎだ、あいつ。) ハルヒ「向こうのソフトクリームでも買ってきて。」 キョン「俺もほとんど金残ってないぞ。買うなら自分で買えよ。」 ハルヒ「しょうがないわね。」サッ キョン「待てハルヒ。俺の財布を返せ。」 ハルヒ「はい。返すわよ。でももう買っちゃったけどね。それよりあんたも食べなさい。」 キョン「ハァ?何で俺も食わないといけないんだ?自分で食えよ。」 ハルヒ「団長の言ってる事が聞けないの?聞かないと死刑だからね。」 キョン「分かったよ。食えばいいんだろ?食えば。」 帰り道 ハルヒ「感謝しなさいよ。団長様が付いて来てあげたんだから。」 キョン(御前が勝手に連れてきたんだろうが。俺の金がなくなったじゃねえか。) ハルヒ「なんか頭がクラクラするわね。昨日から調子悪かったし。」 キョン「おいおい、大丈夫か?ハルヒ。」 ハルヒ「大丈夫よ・・・朝少し熱あった・・だけ・よ・・・」バタッ キョン「おいハルヒ、大丈夫か。(なんとかキャッチには成功できた。)」 ハルヒ「大丈夫・・・」 キョン(ひとまずコイツの家に連れて行かないとな。) ハルヒの家 ハルヒ「何勝手に人の家入ってんのよ・・・出て行きなさい・・・」 キョン「何強がってるんだよ、熱あるじゃねえか。」 ハルヒ「熱なんてないわよ・・でも少しだけ一緒にいて・・」 キョン(正直コイツの家に行きたくなかったがまあ38度もあればしょうがないな。) ハルヒ「ああ、しんどすぎて死んじゃうわ・・・」 キョン「ハルヒ、寝るなよ(俺どうすればいいんだろ。)」 1時間後 ハルヒ「ううん・・あれ?キョン、人の布団で勝手に寝ないで。殴ってやる」 キョン「いてぇ、何すんだよ。そうか、俺寝てたのか」 ハルヒ「ちょっとキョン、あたしの日記み、見た?」 キョン「日記って何の事だ?ああ、これね。見たけど何か文句あんのか?」 ハルヒ「ううっ、勝手に人の日記を見るんじゃないわよ。」 キョン「ハ・・ハルヒ、何泣いてんだよ。俺が何かしたか?」
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/1496.html
ハルヒは悩んでいた。 午後の授業が始まってからずっとなのだが、昼前は機嫌が良かったので、 恐らく昼休み中に何かあったんだろうなあ。 最近はいつも昼休みになると首根っこ掴まれて学食で奢らされるのだが、 今日は昼休みになるなり何も言わず、教室を飛び出して行った。 俺も財布の中身を確認しながら安堵したのだけど。 それが授業が始まる直前に教室に戻ってきてかと思うと、 不機嫌そうな面持ちで頬杖をついた。 俺が、どこいってたんだ?と声を掛けると、 「あんたには関係ないでしょ」 と言った。 確かに関係ない。だがお前が不機嫌になるときは俺にとって都合があまり良くないってことを ほんの微塵でもいいからわかっていただけるとうれしいんだけどな。 俺もそれ以上ハルヒに追及をしなかった。ハルヒも話すつもりはなかったんだろうし。 それで、今に至るわけだが、ハルヒがダウナーな気分になっていることなんて、 珍しいことではない。 ただ今日はいつもの不機嫌とは違うということに俺はなんとなく気づいていた。 ……しかし、まあ何で俺がハルヒのご機嫌なんかを伺わんといけないんだ? この代償は高くつくぞ、ハルヒ。 5時限目が終了して、ハルヒはすぐに教室から出て行った。 俺はトイレに向かって歩いていた。すると廊下の反対側に、俺を見つけて微笑する古泉が手を振っている。 「こんにちは。今日もいい天気ですねー」 なんだそのすっとぼけた態度は。 「え?なんのことです?」 「ハルヒの事なんだがな」 「涼宮さんがどうかしましたか?」 こいつの組織がまた変な事をけしかけたというわけではないのか。 俺が疑うような素振りを見せると、古泉は肩を竦めた。 「残念ながら私は何も知りませんよ?」 まあ、嘘をついているようにも見えないし、本当に何も知らないんだろうな。 「まあいい。例の閉鎖空間は最近どうなってる?」 古泉は、驚いたように目を少し見開いたと思うとニヤケ顔を近づけてきた。 「あなたも心配してくれているんですね。どうですか?例のバイトの件考えてくださってもいいんですよ?」 心配してるのは自分の身だ。そんなもんやらん。顔を近づけるな。 「まあ今となっては、ほとんどあなたが無償でバイトをしてくれているようなものですしね」 古泉は指先で前髪をピンと跳ねると続けた。 「あの時以来、閉鎖空間は安定したままです。あなたのおかげですよ」 「今もか?」 「ええ。特に変化はありません」 それに、と古泉は続ける。 「涼宮さんなら昼休みに会いましたが、あなたが心配しているような様子ではありませんでしたよ? いつもどおりの涼宮さんでした」 いつもどおりのハルヒとは何だ? 感情の起伏の激しさじゃ右に出る奴はいないからな。 全くもっていつもどおりの想像がつかん。 「いえ、普通にあいさつをしただけですが、別段不機嫌だとか逆に機嫌が良いとか そういうのはなく本当に普通の涼宮さんです」 「そうか」 古泉が言っていることが本当だとしたら俺のただの思い違いか。 そうであればいいんだがな。 それに……俺はハルヒに振り回されすぎだな。 別に何が起こってもいいじゃないか。 SOS団には長門もいる。ちょっと頼りないが朝比奈さんも。 そして、今目の前にいるこの男も一応な。 俺は今まで何を学んできたんだ。ハルヒのことにしてもだ。 もうちょっと俺が信用してやらなきゃならんのではないか。 「古泉」 「はい?」 「今話したことは忘れてくれ。ハルヒ云々言ったことをな」 古泉は素直にそれを聞き入れた。 「わかりました。悩みごとがあるなら僕でよろしければいつでもお聞きしますよ」 「結構だ」 教室に戻ると、ハルヒはすでに席についていた。 さきほどと変わらない表情で外を見つめている。 俺も今は何も聞かないでおこう。そう思い席についたのだが、 ハルヒはそんな俺の考えを見透かしたかのように言った。 「何よ、その顔。言いたいことがあるなら言いなさいよ」 「言いたいことはさっき言ったぞ」 「あんたには関係ないって言ったじゃない」 「だからこれ以上聞こうなんて思ってない」 ハルヒは一層不機嫌そうな表情を作ると、再び外に目を移した。。 そして、ため息だろうか、小さく「はぁ」と声を漏らした。 なんなんだろうなあこいつは。 6限が終了し、部室に行こうとしたその時、ハルヒが声をあげた。 「キョン、ちょっと私寄るところがあるから先に行ってて」 そう言うとハルヒは教室を後にした。 俺はその言葉に従い、先に部室へと向かった。 部室のドアをノックすると、毎度ながら愛らしい声で、 「はぁぃ」と声が聞こえる。朝比奈さんだ。 ドアを開け、中に入るとすでにハルヒ以外の全員が揃っていた。 俺は軽く挨拶を交わすと、いつもの指定席に腰かけ、 メイド姿の朝比奈さんがお茶を入れるのをボーっと見ながら、 あんな服やこんな服を着てくれないかなあと健全な高校生なら誰でもしてしまうような妄想を 頭の中に描いていた。きっとだらしない顔をしていただろう。 それを見た古泉がクスッと笑うと俺の目の前にオセロを差し出した。 トレイにお茶を乗っけて不器用に歩く朝比奈さんが、長門、古泉、俺の順にお茶を渡してくれた。 朝比奈さんはお茶を渡すと、思い出したかのように俺に言った。 「そういえば、今日涼宮さんが珍しく5限と6限の間に私のところにきたんです」 ハルヒは授業の合間に校舎中渡り歩いているんじゃないんですか。 朝比奈さんは、ゆっくりと首を振った。 「確かに、涼宮さんが廊下を歩いているのは私も何度か見たんですけど、 その、私のところに直接来たのは、初めてここに連れてこられた時以来で」 それで、ハルヒは朝比奈さんのところに何しにきたんです? まさか授業中にバニーになれとかとんでもないこと言ったんじゃないですか。 「ううん。突然、涼宮さんが来たのでちょっと怖かったんですけど、 その、『みくるちゃん、あなた明日家に来なさい』って」 ハルヒが自分の家に朝比奈さんを? ますますわけがわからないなあいつは。 「私悪いことしたのかなと思っちゃって」 いやいや、朝比奈さんが悪いことしたって言うならハルヒは犯罪者ですよ犯罪者。 それも、国際指名手配されてもおかしくないぐらいの大物犯だ 「涼宮さん、どうしちゃったんだろう……」 朝比奈さんが不思議そうな顔をして俺の目を見てくるので、 その愛らしさに思わず手を握りたくなったが、消え入るような声で目を覚ました。 「私も」 窓際の椅子に腰掛けていた長門がこちらを見て口を開いていた。 「涼宮ハルヒに呼ばれた」 「家にか?」 「そう」 また何でだろうな。ふと古泉を見たが不思議そうに首を横に振るだけだ。 呼ばれたのは、長門と朝比奈さんだけか。以前、バレンタインの時には長門の家に行って 3人でチョコケーキを作ったという話はあったが、その時は2人に硬く口止めをしていたし、 それに今は記念日とかそういうものもないからな。男2人を外す理由も特に考えられない。 普通の女の子だったら、恋の悩みを相談したり、男子の悪口を言って盛り上がったりとかするんだろうが、 ハルヒに限ってまさかそんな会話を繰り広げることは断じてないだろう。 「そういえば」 古泉が時計を見て言った。 「涼宮さんがまだいらしてないですね」 「ああ、ハルヒなら寄るところがあるから先に行ってろって言ってたな。そろそろ来るんじゃないか?」 俺が話し終えるとほぼ同時にドアが勢いよく開いた。 「遅れてごっめーん!」 なんだこのテンションの高さは。 そんな俺の顔を見てハルヒは眉をひそめた。 「何よキョン。何か文句ある?」 今更文句なんかねえよ。ここに来てから随分俺も大人になったからなあ。 「何それ。まあいいわ。みんな注目!明後日の日曜日、野球観戦にいくわよ!」 一同は唖然とした。 「みんな忘れたの?今年も町内野球大会に出場するのよ!そのためにプロの試合を見て技を盗むのよ!」 一回プロの試合を見に行ったぐらいでその技を盗めたら、そこら中プロ野球選手だらけだぞ。 「気持ちの問題よ。自分もやればできるんだって思い込むことが大事なのよ」 ハルヒは得意げに演説を始めた。 「自分もプロ野球選手みたいに上手くなりたいって思うことで体も動くようになるの!」 お前がそんな精神論的なことを言い出すとはな。 それに野球はもう飽きたんじゃなかったのか? 「当たり前でしょ?まずは気持ちからよ。何か不思議なことを見つけようと思わなければ いつまでたったって見つからないでしょうが!」 ちょっと待て、話がずれてきてないか。 「とにかく、行くわよ!ちゃんと予定空けときなさい。来なかったら死刑だから!」 一年前から常に死刑と隣合わせに生きてるんだなあ俺らは。いや、俺だけか。 しかし、ハルヒの突然の欝はどこに飛んでいったんだか。 心配した俺が損したみたいじゃないか。ええい、こんな生活から早く脱却したいものだ。 どうやら野球のチケットを親父にもらったらしく、それで去年の野球大会のことも思い出したらしい。 ハルヒの親父さんも余計なことをしてくれるぜ。また俺が4番なんかにされてみろ。 あっという間に世界の危機が到来しちまうぞ。 その後、特にやることなく、だらだらと部活での一時を過ごし、 時計が五時半を指した頃に、ハルヒが椅子から立ち上がった。 「さて、帰るわ。キョン行くわよ」 ハルヒ、俺はお前の下僕じゃないぞ。 まさかそんなセリフをここで吐けるはずもなく、俺は言われるがまま席をたった。 残った三人も帰り支度を始めていたが、ずんずんと先を歩き始めるハルヒを追って俺は部室を後にした。 校門を出て、坂を下っている途中、ハルヒは一言も口を利かなかった。 二人だけになった途端にこれか、俺はハルヒの肩を掴んだ。 「なに?」 「すまないが、もうちょっとゆっくり歩いてもらっていいか? 足首が痛むんだ」 実は今日の体育の途中、俺はサッカーをしていて見事にこけた。 元々サッカー自体そこまで上手くもないが、だからといってボールを踏んでこける程間抜けでもない。 しかし、何がどうなったか、俺はボールの上に乗るような形で反転し、 足首を捻ったのだった。 それをクラスの女子にも見られていたわけで、ハルヒに至ってはこけた俺を指差して大笑いしていた。 「キョンー!あんた本当にドジねー!」 ほっといてくれ。心からそう思った。 結局途中退場し、保健室に向かった。 足首を捻ったといっても歩けないという程のことでもなく、 もし後日に足が痛むようなら病院に行けと言われたぐらいだ。 ハルヒに合わせて坂を下ると若干の痛みが走ったのだ。 「ほんとドジよね。まああの時は笑っちゃったけど……痛い?肩貸してもいいわよ」 珍しく優しいこと言ってくれるじゃないか。 「ま、団員が怪我したらそれを見るのも団長の務めだからね」 このハルヒの照れ隠しにはもう慣れたが、たまには 「キョンのことが……心配だから!」 とか聞いてみたい気もするね。 「何馬鹿なこと言ってんのよ。置いてくわよ!」 つっけんどんにハルヒはそっぽを向いた。 ここ最近は、ハルヒを自転車の後ろにのっけて家の近くまで送ってやるんだが、 いや、送らされてるというほうが正しいか? なんせそこらのカップルのような甘い時間はなく、騎手が鞭を力の限りに叩かんばかりに ハルヒは俺にスピードを要求するので、まるで俺は競走馬さながらなのだ。 しかし、今日はどうにもそれもできそうにない。 「別にいいわよ。そんなんで悪化されたってSOS団の活動を妨げることになるしね。 いいわ、今日は私が家まで送ってあげるから」 正直、驚いた。 ハルヒの口からまさかそんな言葉が出るとは。 俺がどんな顔をしていたか、ぜひ鏡で見てみたいが、ハルヒは俺の顔を見て 「あのねー。あんたのためじゃないんだから。あくまでもSOS団のために……」 「わかってるよ、ハルヒ」 途中で俺が言葉を遮った。 「わ、わかってるならいいのよ!ほら行くわよ」 ハルヒは先程の半分程のスピードで歩き始め、たまに俺がついてきてるか横目で確認しながら坂を下っていった。 俺の家についた時には、完全に日も暮れていた。 結局、いつもとは逆にハルヒが自転車をこぎ、俺はその後ろに乗って帰ってきたのだが、 ハルヒの運転は逆に俺の命を縮めんばかりのもので二度と乗るまいと誓った。 家の前まで来て、ハルヒが意外そうな声を挙げた。 「へー。結構いい家に住んでるのね。意外だわ」 お前は一体俺がどんな家に住んでると思ってたんだ。 「あ、ハルにゃん!」 また余計なタイミングで出てきやがった! 「おー、妹さん。元気?」 「うんー元気だよ! ハルにゃんどうしたの? 遊びにきたの?」 俺は妹が抱えてきたしゃみせんを抱き上げた。 「足を怪我したからな、ハルヒが送ってくれたんだ」 「えーキョン君ずるーい。あたしもハルにゃんと遊びたい!」 妹よ。お前は兄の言葉をちゃんと聞いていたか?遊んでいたんじゃなくて送ってもらっただけだ! 「ハルにゃん寄っていかないの?」 おい、待て勝手に話を進めるな。 「そうね。キョンの部屋でも見せてもらおうかしら。どうせやらしい本とか一杯あるんでしょうけど」 ハルヒは不気味な笑みを浮かべると目を細めた。 「キョン君、エッチな本持ってないんだよー。あたしいつも部屋に入るけど見つからないの」 「甘いわ。キョンのことだからきっとせこい場所に隠しているのよ」 ハルヒは俺にも見せないような満面の笑みを浮かべると、妹に言った。 「ハルにゃんこっちだよー!」 そう言うと妹はハルヒの手を引き、家の中に消えていった。 俺は呆然として、固まっていたが、まずい!部屋の中を荒らされてみろ! 末代までハルヒに脅しをかけられるぞ。 次第に痛みが増す足を引きずりながら俺は玄関に挙がった。 それからハルヒが帰るまでの1時間程の時間が、俺にはどれだけ長く感じたことだろう。 勝手に部屋に上がりこみ、引き出しからタンスまで開けて物色しようとするハルヒを押さえながら 面白がってハルヒを加勢しようとする妹を諌め、俺の疲労度は極限まで来ていた。 ハルヒは俺の部屋からやましい本が出てこないことに対して真剣に悩みだしていた。 「キョン。あんたまさか……そっちの気があるんじゃないでしょうね」 こいつの目は本気だ。 「断じてない」 俺は妹が持ってきたお茶とお菓子をハルヒに差し出した。 「あんたぐらいの年頃の男ならそんな本の一冊や二冊持ってるもんでしょ? 出しなさいよ」 「嫌だ」 「じゃあやっぱり……」 やれやれ。どうすれば信じてもらえるのかね。 このままじゃ万が一そんな本を見せたりして、それをネタに散々言われるか、 それとも良からぬ疑惑を掛けられたままになるか、どちらにしろ俺が損するだけじゃないか! ハルヒはアヒル口をすると、今度はベッド下を覗き込んだ。 「やっぱりないわねえ」 「大体そんなもの見て、お前はどうしようというんだ」 「別に、どんなものを見てるのか興味を持っただけよ」 人様の恥ずかしい物に興味があるという理由だけで、部屋の中を荒らさないで欲しいね。 「それより明日、朝比奈さんと長門がハルヒに呼ばれたって言ってたが、何かあるのか?」 ハルヒは一気にお茶を飲み干すと、まるであらかじめ答えを決めていたかのようにきっぱりと言った。 「特に理由なんてないわ」 理由もないのに呼び出したのか。 「なんだかんだで1年経つけど、ゆきのこともみくるちゃんのこともまだまだ知らない事も多いから」 なんだか本当にまともな部活動の部長のようなことを言い出したぞ。 「団長として知っておかなきゃいけないことだってあるのよ」 ハルヒはやはりどこか変わった気がする。 古泉も口にしていた。 ハルヒは以前のようにただ不思議なことだけを追い求めるだけではなく、 自分の周りの環境もしっかりと構築しようとする面も強くなってきていると。 つまり、それだけ安定してきているということなのだが、どうにも何のきっかけでまた暴走するかわからんからなあ。 ハルヒに限ってだけは安定なんて言葉は簡単に当てはめていい言葉じゃないな。 「あんた明日も足痛かったら病院行きなさいよ?」 わかってるよ。日曜日に死刑になりたくないしな。 ハルヒはお菓子をある程度口にすると、すくっと立ち上がり、 「帰るわ」 と言った。 玄関の外で俺はハルヒに自転車を貸そうとしたが、 「そんなに遠くないからいいわ。それより明後日ちゃんと来なさいよ?」 そう言いのこすと、早足で闇の中に消えていった。 翌朝、切れるような足の激痛によって目を覚ました。 しゃみせんが足首の上に乗っていたのだが、この痛みはただ事ではない。 俺は布団を捲り上げ足首を確認すると、明らかに腫れあがっていた。 まさか折れているわけじゃないよな。 ベッドから這い起きると服を着替え、朝食をさっさと済ませると俺は病院へと向かった。 外科のある病院まで行くのには歩きで二十分程かかる。 自転車に乗って片足でこげばまだ楽かなと思い、自転車を引っ張り出すとよろけながらなんとかこぎ始めた。 こんな時に限って風が強く、俺の体は何度となく煽られ、今にも転びそうになっていた。 走り出して5分程して、細い道の交差点に入ろうとした時、 自分のことで精一杯だった俺は横からの進入者に全く気づいていなかった。 気づいた時にはすでに遅く、なんとか体を捻り正面衝突は避けられたものの、 横から来た人の自転車の先が調度俺の自転車の横から衝突するような感じになり、 俺は横に勢い良く倒れた。 同時に右足首で体を咄嗟に支えてしまったため、激痛が走り、俺は思わず叫び声を挙げた。 「ぐわっ!」 転がったまま右足首を押さえころげていると、衝突した自転車から降りてきた人が声を掛けてきた。 「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」 声からして女性のようだ。 普通ならここで運命の出会い的なものを感じでしまうのかもしれないが、 生憎そんな余裕もなく俺は痛みに耐えながら返事をするのが精一杯だった。 「ば、なんとか……」 「あれ、あなた昨日の?」 俺は顔を上げてその女性の顔を見た。女性ではなく、朝比奈さんのような幼さのある女の子がそこにいた。 昨日のという言葉から、昨日どこかで会ったことがあるはずだと必死で思い出そうとしたが、 痛さと昨日は色々と考えることが多かったためか、全く思い出せなかった。 「えと、どこかで会ったっけ?」 女の子は、ちょっと怒ったように目じりを吊り上げると、 「保健室で、手当てした保健委員の斉藤です。キョン君でしょ?」 保健室……、思い出した! 怪我をして保健室に行ったんだが、その時近くにいた隣のクラスの保健委員の女の子が ついてきてくれたんだった。それがこの斉藤さんだったのだ。 名前は覚えていたのだが、顔を忘れてしまうとはね。 斉藤さんは俺の顔を覗き込むと、足に目を向けた。 「ちょっと見せて!」 そう言うと、自転車をどけ、ものすごい勢いでGパンの裾をまくりあげた。 ちょ、ちょっと! と、止める間もなく捲り上げられたわけだが、斉藤さんの目は大マジである。 まるで獲物を狙う鷹のような目つきだ。 俺はその目に少し違和感を感じた。 前にもどこかで見たような……。 「こんなに腫れてるじゃない……病院はいかなかったの?」 「今向かっている途中だった」 斉藤さんは、すくっと立ち上がると、俺の自転車を脇に寄せると、 自分の自転車にまたがり後ろの荷物載せを指差し言った。 「乗って。下田病院でいいんでしょ?」 「一人で行け……」 と言いかけるより早く腕を掴まれて起こされた。 「いいから早く。そんな足なんだから」 それじゃお言葉に甘えて、と俺は後部に腰掛けると手のやり場に困っていたが、 「腰に回して、落ちないでね」 という言葉に抵抗することなく斉藤さんの腰に手を回した。 自転車をこぎ始めた斉藤さんからは香水だろうか、それともシャンプーの残り香だろうか、甘い匂いが漂ってきた。 なんだろうか、こう妙に落ち着く匂いというか……眠くなりそうな匂いというか……。 なぜかその時、一瞬、ハルヒの顔が頭によぎったが、その甘い香りにかき消されていった。 病院で診察待ちをしている間も、斉藤さんは俺の側から離れなかった。 本人は「保健委員気質だからいいのよ」と笑っていたが、 週末だけあって診察まで二時間程待たされる形になり、 診察が始まってからもレントゲンを撮ったりしていたので結局病院についてから3時間を過ぎていた。 検査の結果は骨には異常はないが、重い捻挫であると診断された。全治2週間だそうだ。 診察室を出ると、斉藤さんが待ってましたと言わんばかりに近づいてきて肩を貸してくれた。 「どうだった?」 「ただの捻挫みたいで」 斉藤さんはほっとした表情を見せると、可愛らしい笑顔を見せた。 「びっくりしたよ。昨日病院行ったと思ってたし」 ここまで痛くなるとは思ってなかったからなあ。俺は椅子に座ると斉藤さんに礼を述べた。 診察料を支払い、再び斉藤さんに肩を借り、外に出る。 どうやって帰るかな、と思案していると斉藤さんが自転車を持ってきて、 「家まで送るわ。自転車も後で届けてあげるから」 とまるでお姉さん口調のように言った。 俺は、家に電話して迎えにきてもらうつもりだと告げようとすると、 「遠慮しなくていいじゃない。こういう時はお互い様だよ。あたしは暇だし、乗りかかった船だからね」 どうも俺はこういう押しに弱いらしい。姉属性に弱かっただろうか。 しかし、可愛らしい顔に似合わず積極的な人だな。 まるで朝比奈さんとハルヒを足して2で割ったような感じだ。 斉藤さんの押しには逆らえず、俺はお世話になることになる。 足に貼ったシップの匂いと、斉藤さんから香る甘い匂いが混じって複雑な香りがする中、 自転車はゆっくりと走っていく。 その時、誰かが自転車の前に飛び出してきた。 「ちょっと止まりなさい!」 この声は……ハルヒ! 鬼のような形相のハルヒが、自転車の前に立ちはだかっている。 良く見るとその後ろのほうには朝比奈さんと長門の姿が見える。 まるで浮気現場に彼女が現れたような気持ちになった。 いや、俺は実際そんなこと体験したことないがな。 恐らくこんな気分になるんじゃないかと思うぞ。 男性諸君、浮気は、やめよう。 冷静に考えてみれば、別に浮気でもなんでもないぞ? 俺、しっかりしろ。 ハルヒは彼女ではないし、こんな鬼のような形相の彼女は欲しくない。 後ろめたい気持ちなんてないが、ハルヒの迫力に圧倒されてまるで俺は蛇に睨まれた蛙だ。 「あんた誰?」 しかし、ハルヒの矛先は俺ではなく、斉藤さんに向かっていた。 違うぞハルヒ、俺はこの人に助けてもらってだなあ。 「あんたは黙ってて」 すまん、斉藤さん。こちらの不注意でぶつかっておいて助けてもらっておきながら、 あなたをとんでもないことに巻き込もうとしている。 なんでこんなタイミングでハルヒに会ってしまうかなあ。 そもそもこいつは今日家に二人を呼んでいるんじゃなかったか? 「あなた、涼宮さんでしょ? 私は隣のクラスの斉藤よ。体育でいつも会ってるじゃない」 意外にも斉藤さんは笑顔だった。 ハルヒはその言葉を聴くと、一層眉間にしわを寄せた。 朝比奈さんは後ろでおろおろしているし、長門は……、あれ、長門がいない。 と思ったら、俺たちの横に来ていた。そして、ジーッと斉藤さんを見ている。 「まあいいわ。斉藤さんだったわね。キョンとどこにいくつもり?」 「どこにいこうと、あなたには関係ないんじゃない?」 まるで斉藤さんはハルヒに喧嘩を売るように挑発的な言葉を続ける。 「関係ないわけないじゃない。キョンはSOS団のメンバーなんだから!」 斉藤さんはくすっと笑うと、 「SOS団って部活でしょ?その部活では部員の私生活にも干渉するものなの?」 ハルヒが珍しく、悔しさを顔に出している。唇を噛み、体を震わせている。 このままでは余計な事態になりかねないと俺は判断し、ハルヒの前に出た。 「ハルヒ、とりあえず話しを聞け」 「聞きたくないわ。キョン、あんたSOS団クビよクビ! あんたみたいなのをSOS団に入れたのが間違いだったわ」 「ちょっと待てよ。事情も聞かずにそれはないだろ? 今だって病院に行ってたんだ」 「ふん。大体、大した怪我でもないのに大げさなのよ。あんたみたいなドジにはお似合いだけどね! とにかくクビよ。そんな女とちゃらちゃら遊んでるのがあんたにはお似合いよ!」 俺はカチンときた。 気づいた時には時すでに遅く、俺の右手はハルヒの頬を張っていた。 「おまえ……それ本気で言ってるのか」 ハルヒは頬を張られたことに驚きの表情を見せ手で頬を覆ったが、 すぐにこちらを睨み返すと、 「本気よ!除名!クビ!二度と顔見せるな!」 そう言うと、ぐっと歯を食いしばりハルヒは走り去った。 その目にはわずかだが涙が見えた。 「す、涼宮さーん!」 朝比奈さんがハルヒの後を追いかけると、長門も俺の顔を見るとスタスタと歩き去っていった。 「なんなのあの子?」 斉藤さんは呆れ顔で言った。 斉藤さん、あなたの言ってることは確かに最もなことですよ。 ただ、俺の中にも複雑な気持ちが湧き上がってきたわけで。 俺は斉藤さんに礼を言うと一人で帰ると伝えた。 斉藤さんは納得のいかない顔をしていたが、俺の表情を見て気の毒そうな顔をすると 「それじゃ、帰るけど無理しないようにね」 と告げ、自転車で去っていった。 俺は深くため息をつくと、家に向かって歩き始めた。 いつもの歩く速度の3分の1くらいの速さでやっとのことで家に到着すると、 妹が玄関まで駆けてきて不思議そうな顔をした。 「あれーハルにゃんは?」 「ハルヒはいないぞ」 「でも、会わなかったの? ハルにゃんわざわざ家まで来てくれたんだよ? キョン君いるかって。病院に連れていくって。それで、もう病院行っちゃったよって言ったら 急いで出ていっちゃったんだから」 「そうか」 俺は右手を見た。 痛めた右足よりも、手の平のほうが痛いな。 妹は手の平を見る俺を不思議そうに見ていたが、インターホンが鳴ると 「はーい」 と元気良く返事をした。 「あ、あたし、朝比奈と申します」 「みくるちゃん? 今開けるよ!」 妹がドアを勢いよく開けると、そこには朝比奈さんが一人で立っていた。 「あ、キョン君。ちょっとお話してもいいですか?」 「はい」 俺は妹を押さえつけると朝比奈さんと玄関の外に出た。 「今日ね、涼宮さんの家に行ったんです。だけど、ずっと落ち着かない様子で。 私が何かあったんですか?って聞いたら、キョンを病院に連れていく!って」 朝比奈さんは前をまっすぐ見ながら続ける。 「それでね、涼宮さん謝ったの。私たちにね? びっくりしちゃいました。 私も長門さんもキョン君の怪我のことは知らなかったけど、 涼宮さんは、せっかく来てもらったのにごめんね。って」 ハルヒらしからぬ素直さですね。 「涼宮さんは私たちに謝ってまであなたのこと心配してた」 「それは俺も事情を話そうとはしましたけど、ハルヒはあんな感じで聞く耳がないですから」 朝比奈さんはちょっとうつむくと、声を小さくした。 「それは……私にもわかるけど。そういうことじゃないの」 どういう意味です?ハルヒの行動を朝比奈さんは正しいと言うんですか? 「違うの……うまくいえないけど、あんなキョン君格好悪いです」 ハルヒの頬を張ったことだろうか。 朝比奈さんに格好悪いと言われるとぐさっときますよ。 「私が涼宮さんなら……。ううん……上手く言えないけど」 刹那、体が動かなくなった。 ただ、ただ、甘い鼻につく匂いを感じるだけで、まるで体が言うことを利かない。 頭がボーっとしてきたかと思うと、俺は自分の意思に反した言葉を発していた。 「もう放っておいてください。俺はもうSOS団の団員ではないですし、ハルヒに謝る気もありません」 朝比奈さんは驚き、足を止めると肩を震わせた。 「キョン君どうしちゃったんですか? 私の知っているキョン君はそんな人じゃないです!」 またも俺の意思とは異なる言葉が口から出てくる。 「そんな人ってどんな人だと思っていたんですか?勝手に俺という人間を決め付けないでください」 朝比奈さんは、一歩二歩と体を引くと、涙を流し走り去っていった。 自分の意思ではない誰かが俺の体を、心を動かしている。 まるで操り人形だ。 まさか、ハルヒか……? あいつならそれも可能だろう。 人間一人の存在を消してしまうことぐらい簡単にできるような奴だ。 ハルヒは俺という人間を別のものに変えようとしているのかもしれない。 俺は、恐怖を覚えているのと同時に、ハルヒがそう望むのならそれでも構わないとも思っていた。 俺のいない世界を望むのなら、いっそのこと全て変えてしまえばいい。 俺はそこで別の人間として生きるさ。そうさ、そしてまたお前を必ず見つけてやる。 覚えてなくたって、いやむしろ俺がお前のことを忘れるはずがない。 なんせ人生で一番の衝撃だったからな。 気がつくと、俺は地面に横になっていた。体に力が入らない。 声もでない。目の前がどんどんと暗くなっていくことだけがわかった。 ハルヒ、俺は……。 気がつくと、俺はベッドの上に寝ていた。ここはどこだ? いやその前に俺は誰だ?名前は?思い出せない。 ここは病院ではなさそうだが、誰の家なんだ? 頭の中は「?」だらけになっていた。 すると、ドアを開いて一人の少女が部屋の中に入ってきた。 見覚えがある。けれども名前を思い出すことができない。 「あら、目が覚めた? 食事持ってきたわ」 俺は色々なことを聞きたかったが、その少女から香る甘い匂いに引き付けられて、 言葉を発することができない。この匂いどこかでかいだ記憶がある。 「あなたの身柄はしばらくの間拘束させてもらうわ。ごめんなさいね」 何を言っているんだこの人は。拘束ってなぜだ。 「一時的に記憶を奪うための薬をあなたに投与してるわ。だから、その間は何も思い出せない。 感覚的なことは、匂いとか味とかは覚えているかもしれないけれど、自分の名前も思い出せないはずよ」 その通りだ。この甘い匂いも、運んできた食事の匂いもどこかでかいだことのある匂いだ。 「手荒なことかもしれないけれど、許してねキョン君」 キョン? それが俺の名前か?随分と変わった名前だな。 キョンと名づけた親の顔が見てみたい気分だぜ。 「俺はここにいつまでいればいいんだ?」 「観察が終わるまで。それが終わる時にはもうこの世界はないかもしれないけれど」 なんの観察だ。一体何を観察したら世界が終わるようなことになるのかぜひお聞きしたい。 「涼宮ハルヒの観察よ。あなたにこの名前を言ってもわからないでしょうけど」 涼宮ハルヒ……。 わからん。そもそも他人の名前がわかるぐらいなら自分の名前を思い出してるわ。 「それじゃ、用があったらその電話で呼び出して」 無機質な部屋には、電話とベッド、そしてタンスが一つおいてある。 あとは小さめのドアが一つ、どうやらトイレのようだが。 しかし、どうして俺は記憶を失くさなきゃいけない状況になっているんだ。 その涼宮ハルヒとかいうやつの観察のためにと言っていたが、 俺はそいつといったいどういう関係なんだ。 いくら頭を捻ったところで思い出せもしないことを俺は延々と考えていた。 それから何日経っただろう。 たまに襲われる嫌な感覚で意識が遠のき、正確な時間を把握できなくなっている。 そもそも記憶を失う前にどこにいて何をしていたのかもわからないんだ。 あれから同じ少女が食事を持ってくるだけで、俺が質問しても何も答えようとはしない。 一体何がどうなっているんだ。考えてもどうにもならないもどかしさだけが残る。 部屋に窓はあるが、人間が出られるような大きな窓ではなく、 朝か夜か判断できるぐらいの大きさの窓である。 実質、もし脱出するとしたら少女がいつも食事を運んでくる入り口になるのだが、 とてもじゃないが、足が痛くて脱出できそうにもない。 しかも、なぜかここからでないほうがいいような気がしている。 それはなぜだかわからないが、そんな気がするのだ。 小さな窓に目をやると夕焼けの光が差し込んでくる。 そろそろ夜になるのだろう。と考えていた矢先に、大きな爆発音のような音が響いて、 建物自体が揺れた。地震とは違う、何かが衝突したような響きである。 しばらくの間、誰かが叫ぶ声が聞こえたりしていた。悲鳴も混じっていたようだ。 そして、入り口の扉が開いた。 「キョン君!」 見たことのないような美少女が入り口に立って叫んだ。 その後ろには顔の良いやたらきざっぽい男と、大人しそうな少女が立っている。 「良かった、どうやら無事のようですね」 美少女は目に涙を浮かべ、俺に抱きついてきた。 ちょっと待ってくれ、あんたらは一体誰なんだ。 そして、一番に俺が誰なのか教えてくれ。 美少女は一歩あとずさると手で顔を覆った。 「キョン……君?」 キザたらしい男は真顔で近づくと俺の顔をのぞきこんできた。 「どうやら記憶操作されているようですね。長門さん」 長門と呼ばれた大人しそうな少女は、ゆっくりと俺に近づくと頭に手を置いた。 「私の知らない方法で記憶操作されている。恐らく、ここより先の時代で作られた新種の薬」 「となると、やはり未来から来た連中の仕業ということになるんでしょうか」 「恐らく。それだけじゃない。この建物自体に大きな時間軸の歪みがある。 時間凍結を応用して時間の進みを早くしていた可能性がある」 「涼宮さんの観察をするため、ですね」 無表情の少女は小さく頷いた。 こいつら一体なんの話をしているんだ? 俺にもわかるように説明しやがれ! 「とにかく、ここを出ましょう」 キザっぽい男が俺を立たせると、肩を貸してくれた。 階段を下りると、そこには数人の大人がいて、何かを言っているのだが、 俺には理解することができない。 車に乗せられると、どこかで見たような気のする病院に連れていかれて、 様々な検査を受けさせられた。 検査の間中、ずっと先程の美少女が泣きそうな目で俺を見ていたが、 知らない人でも抱きしめてしまいたくなるようなそんな庇護的な欲を感じた。 こんな感覚を以前にも味わった気がするのだが。 一通りの検査を終えると、個室の病室に入れられた。 長門と呼ばれていた少女が再び俺の頭に手を置いた。 5分くらいそうしていただろうか。俺はどんな顔をすればいいのかわからなくなっていた。 少女は俺から手を離すと、後ろを振り返った。 「すでに薬は切れている。体内に不純物も見当たらない」 なんだこの少女は、医者なのだろうか。医者にしたって頭に手を置いただけで 体内の物質がどうとか言う神のような人の話なんぞ聞いたことがない。 いや、今の俺が知らないだけかもしれないがな。 「となると、後遺症という可能性ですかね」 キザ男が考えるような仕草を取る。 「違う」 「違う?……まさか!?」 キザ男は絶句している。美少女も同じく手で顔を覆っていた。 長門と呼ばれる少女は俺のほうを見るとゆっくり口を開いた。 「彼は、涼宮ハルヒに消されかけている」 涼宮、涼宮ってそんな大層なやつなのかね。 それに俺を消そうとしているってのは一体どういうことなんだ。 名前も顔も知らないようなやつに殺されるのはごめんだぜ。 涼宮ハルヒ……か。 しばらくして俺は、人目を盗んで逃げるようにして病院を飛び出していた。 どこに行く宛てがあるわけでもないし、ましてや自分の家がどこにあるのかもわからない。 とりあえず足の向くままに俺は歩き出していた。 なるべく賑やかそうな場所にいけば、もしかしたら何かを思い出すかもしれない。 俺は無意識的にそう考えていたので、自然と町に向けて歩を進めていた。 賑やかな繁華街を抜けて、駅の近くまで来た時、正面から誰かが近寄ってきた。 「キョン。ちょっと来なさい」 誰だこの女は。すげえ美少女ってことはわかるが、名前は……やはりわからん。 俺が不審者を見るような目で少女を見ていると、その少女は俺の手首を掴み歩きだした。 「ちょっと待て、お前誰だよ!」 そう言うと、少女は顔を曇らせた。なんだその目は、どこかで見た、何でも見透かしてしまうような目。 俺は、知っている名前を挙げることしかできなかった。 「お前がひょっとして涼宮ハルヒか?」 少女は驚きの表情を見せたが、すぐにまた前を向き、俺を引っ張って歩きだした。 どうやらこいつが涼宮ハルヒのようだ。 とりあえず引かれるがままこの涼宮の後をついていくことにした。 なんせ今の俺にはあらゆる記憶がないし、この涼宮が俺のことを消そうとしていると聞いている。 殺されるのかと思ったが、どうやらそんな雰囲気でもないし、今は言うことを聞いておいたほうがよさそうだ。 道中ずっと黙っていた涼宮が突然言葉を発した。 「あたし、あんたが消えればいいと思ったわ。そりゃそうよ。このあたしをひっぱたいたのよ!許されざる行為だわ 普通なら死刑ね。三回ぐらい死刑よ」 団長? 何の団だ? 俺がお前を無視したって言われても全くわからん。 「でも、あんたが何度もあたしの名前を呼ぶんだもん。仕方ないから許してやろうって気にもなるわ」 呼んだ覚えなんてこれっぽっちもないぞ。 「あたしも大人気ないことしたと思う。今になって考えればね。素直じゃないわ」 「俺は何をしたんだ?」 「何もしてない」 涼宮は見覚えのある学校の前で立ち止まった。 「登って」 涼宮は校門をよじ登ろうとしている。俺もそれにならって登ると、 真っ暗闇の校庭内に足を踏み入れた。 「あたし、後悔したわ。あんたがいなくなればいいと思ったこと」 涼宮は、校庭のほぼ中心で立ち止まった。 「交通事故にあって記憶喪失になったなんて聞いたら誰だって後悔するわよ」 どういうことだかよくわからないが、俺は交通事故で記憶を失くしたのか? 「病院にいこうとしたのよ、そしたらあんたの声が聞こえてきたの。あたしの名前を呼んだわ」 いや、俺は呼んだ記憶がないんだが。 「聞こえたのよ、ご丁寧にどこに向かってるかも言ってくれたわ。だから、あたしは駅前で待ってたの」 つまり、なんだ。俺がお前のことをテレパシーだかなんだかで呼び出しだとそういうことか。 「さあ。私の空耳かもしれないわ。だけど、あんたの声だったしね、1%ぐらい信用してやろうと思ったのよ」 そりゃどうも。 「簡単に私は人を認めたりしないわよ。だけど……認めた人間はそれなりに重要だし、大事にしたくもなるわ」 「何を言ってるんだ?」 涼宮は少し眼を潤ませて唇を噛んだ。 「キョン……思い出しなさい。あたしのことも自分のことも、そしてSOS団のことも……」 突然唇に柔らかいものが触れた。それが涼宮ハルヒの唇だということに気がつくまでそう時間はかからなかった。 なんとなく懐かしい感じがする。 唇から一気に頭に情報が流れ込んでくるような感覚を覚える。 ああ、これが俺の記憶。涼宮ハルヒとの出会いやSOS団との出会い。 そして、俺が何者なのか。 今、はっきりと頭に蘇ってきた。 俺は、目の前にいる涼宮ハルヒを力強く抱きしめて名前を呼んだ。 「ハルヒ」 俺とハルヒ以外の三人が北高につくまでにそこまで時間はかからなかった。 その後全てを思い出した俺が聞いたのは、隣のクラスの斉藤と名乗っていた奴は未来から来た強行派の人間だったこと、 そしてそれに協力している情報統合思念体の存在が後ろにあったことということだ。 俺のあの怪我自体が初めから仕組まれていたことのようで、 斉藤という保健委員は存在せず、俺の記憶が操作されていて本当にいると思い込まされていたそうだ。 ハルヒが不機嫌になっていたとき、調度あの頃から俺は奴らの術中にいたってわけだ。 ハルヒはそれを敏感に感じていたようで、気分が悪くなったのはそれが原因だったと。 「これは何か事件の臭いがするわ。きっと異世界からやってきた人間だったのよ!」 あながちその推理は間違いではないんだがな。 しかし、長門がなぜそれに気がつかなかったかというと、 どうやらそのバックについていた情報統合思念体から妨害を受けていたため、 正確な情報が得られなかったと言うのだ。 そのため監禁されたことを知るのにも時間がかかり、俺は何日もの間閉じ込められていたってわけだ。 しかし、現実世界では一日しか経ってなかったらしい。 つまり、外での細かい観察記録を時間をかけて整理したいが、 もし世界改変がすぐに起きてしまうようなことがあれば、その情報は意味のないものになってしまうというわけだ。 そのため、その情報統合思念体は、建物内と外界との時間流の速さを変えてしまうことで、 外では一日しか経っていないのに、建物の中は1週間経過しているようなカラクリを仕込んだのだ。 長門によると斉藤はすでに消えていたらしい。 それと一部の強行派の未来人を拘束したと、朝比奈さんが言っていた。 やはり、俺を使ってハルヒを観察するのが最も効率的であるという見解は強行派の中で変わってないらしく、 わざとハルヒを煽ってみたりしたのも俺という人間に対してハルヒがどのような感情を持っているのか 確かめるつもりだったんだろう。 正直、危なかったんだよなあ。 もう少し俺の救出が遅れていたら、ハルヒは俺の存在を消していただろう。 俺はテレパシーなんざ使えない普通の人間だが、ハルヒが俺の声が聞こえたって言うなら それは最後の俺の足掻きだったのかもしれないな。 ハルヒのことはどんなことがあっても忘れないと思っていたが、 ハルヒの唇を忘れないに訂正させていただこう。 それぐらいの妥協はいいよな? ハルヒ。 終
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3623.html
涼宮ハルヒのVOC 第一話 「初音ミクよ!」 ハルヒは自慢げに答えた。 「そのはつねみくってのは何なんだ?」気になったので聞いてみた。 するとハルヒはしかめっ面をして 「初音ミク!! 何よ!知らないの!?」といってきた。 「ああ。まったく分からん。何をするものなんだ?」 俺の質問を無視してハルヒが、 「みんなは?」と聞いた。 朝比奈さんは少し考えて「えぇと・・・わからないです。」 長門は10秒ほど黙ってから「・・・・知らない。」 スマイルを絶やさないエスパー野郎は「不調法ながら、僕もわかりませんねぇ。」 5秒ほどの沈黙。 ハルヒは肩をすくめて 「みんな遅れてるわねぇ!だめよ!そんなんじゃ!SOS団は常に時代の先を行かなきゃいけないの!」 と紙袋から箱を取り出し机において見せた。 箱には「初音ミク」と書いてあり、緑色の髪の毛の女の子がいた。 興味津々に見入る俺たち。長門もさっきから文庫本を閉じ、こちらに顔を向けている。 「これは・・・何かのソフトですか?」と古泉。 するとハルヒが「そのとおりよ!冴えてるわね古泉君!」 「このVOCALOID・・・って何だ?」 「それはヴォーカル・アンドロイド、VOCALOIDでヴォーカロイド!こんなのもわかんないの!?」 なんか俺と古泉で対応が激しく違うんだが・・気にしないことにした。 「・・・」長門はただ見ている。 頼むからなんかしゃべってくれよ・・出番無くなっちまうぞ? 「・・・ユニーク」 「・・・それだけ?」 「それだけ」 だめだこりゃ。 「髪の毛の色は鶴屋さんみたいですね。かわいいです。」 と朝比奈さん。 いえいえ、あなたも十分にお美しいですよ。 もちろん口には出さないぞ? 痺れを切らしたハルヒが説明しだした。 「要するにこれは音と言葉を設定して歌ったり喋ったりしてくれる夢のソフトよ!」 俺はその説明書を限りなく噛み砕いて液状化させたような説明でやっと理解した。 そして聞いてみた。 「それで何をするんだ?ハルヒ。」 すると、それが当然とでも言うかのような平然とした顔で 「そんなもの考えてないわ!」 ため息をついて肩をすくめてみた。 「まず買うの!それからかんがえるの!あぁ~~!SOS団員がまた増えたわねぇ~!この子は大切に育てていくのよ!そうすれば心が通い合っていくに違いないわ!」 その後、わざわざコンピ研を隣から呼び出して 「インストールとかセットアップがめんどくさいからやれ!」 と命令し、すべての準備をコンピ研にやらせた。 最初はコンピ研も拒否していたが、「しゃ・し・ん!」ハルヒの」一声でおとなしくなってしまった。哀れ。 結局、全工程が終了したころにはもう外が暗くなり始めていた。 「早速はじめてみるわ!」とハルヒが言ったところで長門が文庫本を閉じて立ち上がった。 「・・しょうがないわねぇ・また明日って事で!じゃあ解散!」 こうして俺は帰路についた。 部室で聞いたハルヒのせりふに一抹の不安を抱きながら。 夜中の部室。 プツン! ジーー 「ア゛… ヴ・・ い゛」 プツン!
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/1867.html
谷口「なぁ、キョン。涼宮と何があったんだ?」 国木田「何かふたりの間に見えない壁が見えるんだけど」 キョン「さらりと矛盾した事を言うな国木田。 端的に言えば・・・SOS団は解散、俺はハルヒに、もう口も聞かんだろうな」 谷口「は!?お前とハルヒって付き合ってたんじゃねぇの!?」 キョン「ちょwwwそんなわけねーだろバーローwwwwwwww あんな奴となんて死んでも付き合いたくねーよwwwwwwwwww」 谷口「そ、そうだよな…」 キョン「でも、あいつけっこう良い体してるしな。一回くらいヤってから捨てれば良かったかwwwww」 国木田「それ、まだ出来るんじゃない?」 谷口「…どういうことだよ国木田」 国木田「だって、涼宮さんは明らかにまだキョンに未練タラタラだよ? キョンが涼宮さんに声かければ、1発ヤルくらいなんでもないと思うんだけど・・・」 谷口「ちょw何でお前まだ涼宮がキョンに気があるって分かるんだよwwwwww」 国木田「バーローwww俺のツンデレスキーとしての経験値舐めんなってのwwww 俺の所持エロゲーの8割はツンデレ登場してるぜ?wwっうぇっうぇwwww」 キョン「そうだな・・・やるか。谷口、国木田、お前らも来るか?」 谷口・国木田「さすがキョンさん!そこに痺れる憧れるぅ!」 キョン「ただ、何だ。俺は、和姦物よりもレイプ物の方が好きだからな。 こうしよう、ちょっと二人とも耳貸せ。ごにょごにょごにょ……」 ハルヒ「キョン…人気のない夜の校舎なんかに呼びだして…まさか……」 キョン「来たか」 ハルヒ「キョン!?一体こんな所で何の用!?つまんない事だったらタダじゃおかないわよ!」 キョン「つまんないことじゃねぇよ。少なくとも俺達にとってはな…」 ハルヒ「達?」 キョン「谷口、国木田。出てこいよ」 ハルヒ「っ!?」 すばやくハルヒを抑える谷口と国木田。 ハルヒ「ちょっ…ちょっと!離しなさいよ!キョン!これは何のつもり!?」 キョン「は?お前も分かってんだろ。」 ハルヒ「………そういうこと、だったんだ。これじゃ、これじゃあたし、馬鹿みたいじゃない…っ!」 谷口「うおっ!暴れんじゃねぇてめー!」 キョン「面倒だ、縛っとくか」 国木田「さすがキョンは迅速に鬼畜な判断を下してくれる」 縛り上げられ、地面に転がされたハルヒ。既に抵抗する気も無くなったらしい。 その瞳に浮かぶ感情は、俺には読み取る事など出来るはずもなかった。 キョンが近づいてくる。私が、今から数分前まで好きだった男だ。 キョン「一番槍は俺が貰うわ。いいだろ?」 谷口「もちろん」 国木田「後で4Pもやるよね?」 キョン「おう。よっ……と」 パンツを下ろされた。キョンも、自らの―――を出す。 私は、キョンと初めて会った日の事を思い出す。 入学式の日。初めて自分の座席に座った日。そして私の前に座った男。キョン。 それが最初の出会い。正直言って、このときの事は全く覚えていない。 ただ、数日後。彼が私に話かけてきた事は、一応覚えている。でもその時はまだ、 他のつまらないクラスメイトと同じとしか考えていなかった。 彼をちゃんと認知し始めたのは、私の髪型の法則に気づいたとき。多分そこ。 そして、彼を部活に誘った日。それから、SOS団を結成し――― ―――ああ。私は、いつから彼に惹かれ始めていたのだろうか。 今となっては分からない。ただ私に分かる事は、今、私はキョンを好きだということだけ――― ハルヒ「っ痛――!」 キョン「く、きついな…やっぱ濡らしてないからか…」 国木田「だが、それがいい(ニヤ)」 キョン「さすが国木田はよく分かってる」 ハルヒ「ギ……!っつ、あ、ああああああぁっ!!!!」 痛い。痛い。いたい。 痛いのは体だけじゃない。痛いのは心。好きな人に犯されているという、ここの状況。 ハルヒ「う……う、うううううぅっっ………!!あ、あああああああああ…………!!!」 国木田「こいつ、泣いてやがる。そんなに痛かったのかね? へ、普段気が強い奴の泣き顔ってのもそそるもんだな。」 どうして。どうして。どうして。 どうして、こんなことになってしまったのだろう。 色んなことをした。 みくるちゃんを誘って、 古泉君を誘って、 有希から文芸部室を借りて、 SOS団を作った。 コンピ研からパソコンを奪ったりもした。 街の不思議探し、何ていうのもしたっけ。 あはは、キョンと二人きりになろうとして、くじ引きで二組に分かれたりもしたっけ。 あの時は、結局キョンと一緒にはなれなくて、キョンはみくるちゃんと有希と一緒に… デート、して…あはは、あの時は妬いたなあ。有希ちゃんの時なんかは、キョンったらすっごい遅刻してきたし… ……本当に。 どうして。どうして。どうして……… 涙が溢れる。 キョン「ん・・・そろそろ出るな」 谷口「何だ、意外と早いんだな」 キョン「俺は連発式なんだよ。1発までは早いが連射が効く」 国木田「マジカwww何そのニュータイフwwwwww」 キョン「んっ……!」 キョンが、私の膣に××を出しているのを感じる。 私が何度か彼を想って自慰をした時の事を思い出す。 こんなはずじゃなかった。私と彼の初めては、こんなものじゃなくて、もっと、もっと… 愛していた。わたしは、彼を愛していた。いや、今も愛しているのかもしれない。 いまのわたしには、それすらも分からない。 ただ、今までの彼との思い出がよみがえる。 ハルヒ「キョン…好き……」 キョン「……?は、ははっ! こいつ、犯されてるのにまだこんなこと言ってやがる! ついに頭イカレたか!?ま、最初っからイカれてたけどな!はっははは!!」 谷口「う、うおおお!何か俺燃えてきたぜキョン!」 国木田「(コレだ…これがツンデレの破壊力…!真価…!僕は、新しいステップを登った気がする…!) キョン「そろそろお前達も参加するか?」 谷口「俺は口だ」 国木田「じゃ、せっかくだから俺はこの汚い穴を選ぶぜ!」 谷口「っつーかいきなり4Pなんすねキョンさん」 キョン「当然だろ?」 国木田「え?じゃあお前は何を考えてたわけ?」 谷口「(こいつらレベルたけーよ・・・)」 だれかが、わたしの口に何かををつっこんでいる。 きもちわるい。 のどのおくにあたる。 はきけがする。 だれかが、わたしのおしりのあなになにかをつっこんでいる。 いたい。 すごくいたい。 きょんが、わたしのなかでうごいている。 なんなんだろう。めちゃくちゃだ。 もういやだ。 なにもかんがえられない。 かんがえたくない。 ああ――― これが、 ぜんぶ、 ゆめだったらいいのに……… 「よーし、HRはじめるぞー」 俺は出席を取り始める。 「あー、涼宮は…今日も欠席だ。」 あの時は本当に大変だった。俺の担任をしているクラスで、4人の生徒が行方不明になったのだ。 その内の一人、涼宮ハルヒはすぐに見つかった。校内にいたからだ。 ただし、暴行されたまま、放置されているのが。 犯人は分からない。同じく行方不明になった3人の男子生徒ではないかと無粋な週刊誌は騒いでいるが、 現場にはその生徒達の体液はおろか、髪の毛一本落ちていなかったのだ。 そもそも、俺は自分のクラスの生徒達を信じている。あいつらがそんな事をする訳はない。 大体、行方不明になった生徒の一人は、涼宮ハルヒと非常に親しくしていた。付き合っていたという噂もある。 そんな彼が、あんな事をする訳もない。しかしそうすると、犯人は誰なのか。 とにかく、一刻も早く犯人が捕まる事を願っている。 「………」 とある家のベッドで、一人の少女が眠っている。 その頬はこけおち、快活に校内を駆け回っていた姿は見る影もない。 彼女の精神は、ボロボロだった。 まだ見舞いに来る友達もいない。それもそうだろう、暴行された少女にかけられる言葉を 持っている者など、そういるはずもない。 ただ一人だけ、髪の長い女子生徒が、毎日花を届けに玄関先までやってくるそうだ。 「…う、うううううぅっ………!」 「……」 とある部屋に、二人の少女がいた。 一人は涙を流し、一人は、無表情――最低でも、そう見える――な少女。 「どうして、どうしてこんなことに―――」 「わからない。ただ、涼宮ハルヒが能力を喪失した時点で、起こりえた可能性」 「わたしが、わたしがもっと早くに気がついていれば、ここまでひどいことには―――」 「仕方がない。涼宮ハルヒの能力がなくなった事により、私たちの能力は大幅に低下した。 この処置が出来ただけでも運が良かったと思うべき」 「…でも、でも……… いえ、ごめんなさい。私は何もしてないのに。私が、あなたに頼んだだけなのに……」 「違う。これは、きっとわたしも望んだ事。わたしもあの光景を見たとき、 何故かこうする衝動を抑えられなかった。恐らく、エラーが溜まっていたんだと思う」 「でも、そのせいであなたは…」 「消える。しかし、私たちはあなたたちのような有機生命体とは根本的に死の概念が異なる。 …それに、わたしはこの行為ができたことに非常に満足している。」 「……」 「統合思念体が決定を下した。私は、あと5.2719秒後に消滅する。 …………ばいばい」 片方の少女が、キラキラと光の粒子になって消えていく。 それを赤い目で見つめる、もう片方の少女。 「わたしの…わたしの力が足りなかったばかりに… ごめんなさい、涼宮さん…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい………」 END ~鶴屋さんの補習授業~ はいっ!鶴屋先輩の補習授業の始まり始まり~! えーと…原因は、言わなくても分かってるにょろね? キョン君の鬼畜っ!オニっ!悪魔っ! 分かったら、さっさとあの選択肢に戻ってやり直すっ! …実は、もう一つの選択肢を選んでもBAD ENDなんだけど… それはあっちの補習授業で、詳しく教えて上げるからさっ! それじゃ、あっちの補習授業で会うにょろ!
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip/pages/539.html
プロローグ 高校卒業して4年経った… 俺は、今、新人として会社を勤めてる… 皆の状況を知らせて置く事にしよう 谷口は、現在NEET化になって、職探しを求めてる 国木田は、高校の教師として勤めてる 鶴屋さんは、父の跡継ぎに働いてると聞いた 古泉は、政治界に入って活躍してるらしい 朝比奈さんは、一時に未来へ帰ったが…去年帰って来て、現在はOLとして勤めてる 長門は、本が好きで図書館の仕事に勤めてる ハルヒ?ハルヒは…「ムー」と言う本の編集者になって働いてる… やれやれ、ハルヒはこういうの好きだからな… さて、仕事が終わり、家に帰る所だが… 偶然、あの懐かしき涼宮ハルヒに会った… 「!…ハルヒ?」 ハルヒ「ん?誰?あたしをよ……!キョン?」 3年ぶりの再会である… しかし、こんな時間に何やってんだ? ハルヒ「仕事よ、仕事…宇宙がどうのこうのって奴よ」 そ…そうか… ハルヒ「それにしても、久しぶりね…元気してた?」 「あぁ、してたさ」 ハルヒ「そぅ………」 「ん?今何で言った?」 ハルヒ「何でもないわ…そうだ、一緒に居酒屋へ行かない?」 …ま、多分、俺の奢りだろうよ… ハルヒ「違うわ、あたしが奢るよ」 …そ、そうか… ……ハルヒ、変わった…のか? さて、今、居酒屋に居る… ハルヒ「さ、何でもいいわ!すみませーん、ビール2つ」 ?…あれ?…ハルヒって、酒に弱かったっけ? 「ハルヒ、酒弱かったんじゃないのか?」 ハルヒ「アレは、昔の事よ?昔と同じしないでね」 …そうか、確かにハルヒは変わった… 確かに、変わったんだがな…何か、腑に落ちない感じがする この後、二人で仕事の話、懐かしき日の話など喋った…笑ったりもした。 そして、帰り道… ハルヒ「ねぇ、キョン…電話番号とメアド教えてくれない?」 ん?いきなり何言ってるんだろうか? 「あぁ、教えてやる…090-……で、家は……そして、メアドは……これだけだな」 ハルヒ「ありがとう、まだ機会あったらメール送るわ」 「あぁ、分かった…」 …変わったんだな、ハルヒ… 「……帰るか」 ふぃー、疲れた… 今、俺が住んでる場所は…都会内の少し金高かったマンションである… 部屋は、シンプルな空間になってる… 「…シャワーでも浴びるか…」 サァー… 涼宮ハルヒ、6、7年前…初めて会った… SOS団も作って活動した…あの夢も激しく覚えてる… そして、3年後…ハルヒはこう言った…泣きそうな声で 「SOS団はこれでお終いです…あたしは、楽しかったわ…… 別れるのは…おしいけど…いつか、まだ会える気がするわ… 元気でね…皆…ありがとう…そして、さようなら…」 あの時は覚えてる…アレから4年経ったのか… ふぃー…さっぱりした… ♪~♪~♪~ ?携帯鳴ってるな…誰だろうか… [メール着信 涼宮ハルヒ] ハルヒ!? しかし、何故、メールが来るんだ? 取りあえず、開くか… From涼宮ハルヒ Subキョンへ ――――――――――――― 今日は楽しかったわ!ありが とう! あたしの頼み…聞いてくれる? 土曜日に遊園地行かない? 返信待ってます。 ハルヒ……土曜日は…何も無いな… …よし、返信しよう…勿論行くとな… しかし、こっちの方が憂鬱だね ハルヒがあんなに変わるとは誰も予想しなかったとは… 土曜日ね… さて、今日は土曜日である! 俺が勝手に「デート」だと思っておく事にしよう 俺の愛車に乗って待ち合わせへ向かう… 確か、○○公園だな…お、ここだ!ここだ! さて、ハルヒは… ハルヒ「♪~♪~♪~」 いた 何やら、楽しみにしてるように鼻唄を歌ってる…行くかな 「よぅ、ハルヒ…待たせてスマなかったな」 ハルヒ「ううん、いいの…混んでたんでしょ?」 「ん、まぁ…そういう事だ…んで、どこの遊園地?」 ハルヒ「東京と言えば、ディ○ニーランドだけど…ダメかな?」 !?…か、可愛い!こんなに前より可愛くなったな… 取りあえず、今の感情を表に出さないでっと 「いや、構わんよ、金は十分あるからな」 ハルヒ「ありがと!キョン」 こうして、ディ○ニーランドへ向かったのである 今、遊園地に着いたけど、大変だった 交通道路を利用しようと思ったら混んでるわ 遊園地の近くに渋滞あるわ ははははは…見ろよ!人がゴミのようだ!と思われるぐらい、いっぱいいた… トータルして、2時間掛かったね ハルヒ「ホントにゴメンね」 「いや、行きたがったんだろ?だから、いいじゃないか…どれ乗る?」 ハルヒ「そうね、ジェットコースター乗りたいわね」 「了解!」 と、俺は軍人みたいに敬礼した ハルヒ「あはははは…何、軍人みたいな事してるのよ」 「はははは…」 とまぁ、色々楽しく乗り物乗ったり、買い物したりもした。 「っと、日が暮れたな…」 ハルヒ「そうね…最後に観覧車乗って帰ろっか」 「そうだな」 と、ハルヒと一緒に観覧車へ足を運んだのである 金を払い、ハルヒと一緒に観覧車に乗った。 …何だが、変な雰囲気になりそうだ… 長い長い沈黙が続いたが…それを破ったのは ハルヒ「ねぇ、キョン…」 ハルヒである… 「何だ?」 ハルヒ「綺麗だね」 「…あぁ」 「……」 「……」 むぅ、耐えられんな…この沈黙は… ハルヒ「ねぇ、キョン…あたしの話聞いてくれる?」 「…何だ?」 ハルヒサイド あたしは、初めてキョンに会った時、少し戸惑いだわ… 小学校頃、ある男に似てだからね… そして、あたしはそう思った…この人ならあたしを変えてくれるかな?と… その結果、少しだけ…ほんの少しだけ変わったわ…キョン、あんたに感謝したいわ… ………キョン、これだけは言わせて…あたしは、あんたが好きよ…大好きだから… 4年間、あんたと離れて物凄く寂しかったの…寂しかったのよ! キョン!あたしは物凄く…物凄く…うっ、ううっ…うっ… ハルヒサイド終了 ハルヒ「うっ…うっうっ…」 ハルヒ…4年間、寂しい思いをしてたのか… 「ハルヒ、ゴメンな…4年間、お前の気持ち分かってなくで… 本当にゴメンな!俺だって、ハルヒの事が好きだ…大好きなんだ…」 ハルヒ「キョン…」 言え!俺よ!チャンスは一度しかない! 「ハルヒ…ちゃんと聞いてくれ…」 ハルヒ「う、うん…」 「け、けっ…け、け、けっ…ふー…結婚しよう!お前を幸せしてやる!」 ハルヒ「え!?」 「やれやれ…何と言ったら分かるんだ…幸せしてやるよ…ハルヒ」 ハルヒ「あ、あぁ…あ…キョン!ありがとう!キョン」 と、めでたくキスしたのである… 「お、ハルヒ…外見ろよ」 ハルヒ「え?…わぁ…雪だ…」 「あぁ…」 ハルヒ「キョン…」 「ハルヒ」 と、まだキスした ――ありがとう、キョン… エピローグ 数ヵ月後…色々あったが… 俺は、ハルヒとめでたく結婚した! みくる「おめでとうございます」 ありがとう、朝比奈さん 古泉「おめでどうございます。あなたの尻を見たかったですけどね」 ありがとな、だけど…いい加減ホモから卒業しろ 長門「……おめでとう」 ありがとう、長門…長門もいい相手見つけてくれよ 谷口「君の心に今すぐアクセス!いやいや、おめでとう!キョン」 ありがとうよ、だが…今のカッコ悪い… 国木田「おめでとう、キョン」 おぅ、ありがとよ 鶴屋「おでとう、キョンくん!めがっさ頑張って!」 ありがとう、鶴屋さん と、まぁ…ここへ来た皆様がお祝いしてくれたのである。 「……ハルヒ」 ハルヒ「ん?」 「今日の夜はアレだから、準備してなwww」 「え!?あ、その…もぅ、キョン!恥ずかしい事言わないでよ!」 「ははははは…」 そして、ハルヒは仕事を辞め、主婦として少し忙しい日々を送ってる キョンはハルヒのために、一生懸命働いてる。 二人は、今、幸せである… 完
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/16.html
ハルヒ「ちょっと・・・みんな、私を無視しないでよ・・・・・・・」 キョン「うるさいんだよ、お前は毎日毎日、人使い荒くて 何なんだよお前は、何様だってんだ!」 ハルヒ「・・・!!」 キョン「朝比奈さんも古泉も長門も何も言わないけど きっと俺と同じでお前の事うっとおしく思ってるはずだぜ。 くだらないことしてないで、いい加減大人になれよお前。 じゃあな」 ハルヒ「ちょっとキョン待ちなさい・・・!!キョン・・・。 私を一人にしないでよ・・・。もう一人はイヤなの・・・」 ハルヒ「ねぇ!?なんで昨日部室に来なかったのよ!? 今日もサボったら死刑だからね!」 キョン「うるさいから話しかけるな(ボソ」 ハルヒ「え・・・。」 部室 ハルヒ「ね、ねぇ、み、みくるちゃん・・・」 みくる「・・・なんですか・・・」 ハルヒ「み・・・みくるちゃんは!わたしの事無視したりしないわよね・・・」 みくる「・・・・・・・・・」 スタスタスタスタスタ・・・ ハルヒ「み、みくるちゃん・・・」 ハルヒ「!・・・そ、そうだ、ユキ!・・・え・・・?」 古泉「みなさんもう多分ここには来ませんよ。」 ハルヒ「そ、そんな・・・」 古泉「では、私も出て行かせてもらいます」 スタスタスタスタ・・・ ハルヒ「そんな、なんでみんな・・・」 ハルヒ「なんでなの、みんな。・・・私が駄目なの?どこが駄目だったの?ねぇ、誰か・・・」 自分しかいない部室で、ハルヒは独り泣いていた 翌日 教室 ハルヒ「お・・・おはよう!みんなゲンキーッ!」 ハルヒ「・・・・・」 誰も返事を返してくれない。 そのままハルヒは黙りこんで自分の席についた。 休み時間 ハルヒ「・・・」 ヒソヒソ 女子A「聞いた?あの娘唯一の友達だったSOS団とかいうグループの人たちからも 無視されてるらしいわよ。」 女子B「え~可愛そう(笑)。でもあの娘っていつも変なこと言ったりやったりしてるから 自業自得だよね~。」 女子A B「クスクス、クスクス」 ハルヒ「・・・・・・・」 鶴屋さんの反応 ハルヒ「あっ!鶴屋さんおはよう!」 鶴屋「何?みくるやみんなにさんざん迷惑かけて何しらばっくれてんの?みんなもう疲れてるんだよ。!あっ!みくるーッ!おはよう!今日もかわいいねぇ!」 ハルヒ「・・・・・」 コンピ研部長の反応 ハルヒ「あっ!・・・えーっと、誰だか忘れたけどおはよう!」 コンピ「あぁ、もうなんだよ。君にはさんざんやりたい放題されてこりごりなんだ。もう近寄らないでくれよ。」ハルヒ「えっ、なんで・・・」 キョンの妹の反応 ハルヒ「!あっ!キョンの妹!こんにちは!」 妹「ねぇ、なんでおねえちゃんはみんなにひどい事するの?人をいじめちゃいけないって学校の先生言ってたよ?」 ハルヒ「そんな、わたしそんなつもりじゃ・・・」 妹「あっ、あんまりおねえちゃんと話しちゃだめってキョン君言ってたから、じゃあね!」 ハルヒ「・・・・・・」 ハルヒ「みんな無視する…まぁW杯でも見てその話すれば大丈夫よ」 ポチッとな 「……何、この黒い奴。一人で突っ込んで周り見てないじゃない」 「あっもしかして私、この黒いのと同じ…かも」 ハルヒ「わたし、サッカー好きなのよ~!」 キョン「サッカーはお前のことが嫌いだがなっ」 ハルヒ「・・・小笠原が特に好k」 キョン「小笠原はお前のことが大っ嫌いだけどなっ」 ついに登校拒否になってしまったハルヒさん。 おや、なにやら窓の外から聞き慣れた声がします。 ふと見てみると、いつものメンバーが笑いながらあるいています。 ハルヒさんの家の前なのに誰も気にしてないようです。 (私の居場所は本当になくなっちゃったんだな・・・) 暗い部屋の中で体育座りをしているハルヒさん。 こうしてれば自分を傷つける人はどこにもいない。 嗚呼、可哀想 「うう、うっ、わぁ、うわぁぁん。」 怖い夢をみてしまったハルヒさん もう落ち着ける場所はどこにもない。 嗚呼、可哀想 もう誰も信じられなくなったハルヒちゃん (もう虐められるのはイヤ) そう思いながらコツコツ貯めていたお金で遠くへ逃げます そこへキョンが訪れてきました。 キョン「なぁハルヒ、少し金貸してくれよ」 ハルヒ「え、あ、今は・・・」 キョン「ん?なんだこれは・・・ お、金じゃん!しかもスゲー金額!」 ハルヒ「あ、それは!」 キョン「別にいいじゃん。俺ら、友達だろ?」 そう言われ、お金を持っていかれたハルヒちゃん 人生お先真っ暗 嗚呼、可哀相 ハルヒ「えー!なにこれー!もう最悪ぅー!」 キョン「お前の性格がなっ」 ハルヒ「・・・直すように努力するわ」 キョン「努力では掴みとれねー物もあるんだよ、いい加減オトナになれヴァーカっ」 警察「すみません 涼宮ハルヒさんですね?」 ハルヒ「・・・?はい、そうですが」 警察「実は貴方が朝比奈みくるさんの卑猥な画像を インターネット上に公開したとの通報がありまして ちょっと署までご同行願えますか」 ハルヒ「ちょ、あの、それは」 キョン「朝比奈さんの気の弱さにつけこんで 散々酷いことをした罰だ 少し頭を冷やしてこい」 ハルヒ「・・・・」 キョン:それじゃあ、明日は2000年前に行ってピクニックをしよう! ──────────────────────────────── みくる:賛成! ──────────────────────────────── 長門:それはいいわね! ──────────────────────────────── 古泉:じゃあ僕は外国から取り寄せた高級お菓子を持ってくるよ! ──────────────────────────────── 『ハルヒ』が入室しました ──────────────────────────────── 『キョン』が退室しました ──────────────────────────────── 『みくる』が退室しました ──────────────────────────────── 『長門』が退室しました ──────────────────────────────── 『古泉』が退室しました ──────────────────────────────── ハルヒ:・・・・・・ ──────────────────────────────── 長門:しかし最近の若手芸人のつまらなさには腹が立つよね ──────────────────────────────── みくる:そうよね。それを雇うテレビもテレビだわ ──────────────────────────────── 古泉:昔の番組は凄く面白かったよね ──────────────────────────────── 『ハルヒ』が入室しました ──────────────────────────────── キョン:つまらないから早く消えてしまえばいいのにな ──────────────────────────────── 『ハルヒ』が退室しました ハルヒ「(今まで何やってたんだろ私)」 ハルヒは学校の屋上に来ていた ハルヒ「あっちの世界に逝けば 宇宙人や未来人よりも面白いことがあるのかな・・・」 そう呟くと なるべく何も考えないようにして 屋上から身を投げた たまたま教室から外を眺めていたキョンの目に 落ちてゆくハルヒの姿が映ったが キョンは眉一つ動かさず そのまま外を眺めていた 数分後 学校のグラウンドにサイレンの音が鳴り響いた 長門「…」 ハルヒ「あ!ユキ…っ」 長門「これ…」 ハルヒ「え?本?」 長門「読んで…」 ハルヒ「あ…お勧めの本なの?そ、そうね。本はあんまり興味ないけど どうしてもっていうなら読んであげてもいいわよ」 ハルヒ「えっとなになに…完全自殺マニュアル………?」 みんな「王様だ~れだっ?」 キョン「あ、オレだ。じゃあ二番のヤツ、振り返りながら「大好き」ってやってくれ」 長門「・・・私」 長門「・・・大好き」 キョン「なんかそうじゃないんだよな~、もう一回!」 長門「・・・大好き」 キョン「ハルヒ、お前やれ」 ハルヒ「なんで私g」 キョン「やれ。」 ハルヒ「・・・やるわよ、やればいいんd」 キョン「早くやれ、ブス」 ハルヒ「・・・d」 キョン「やっぱりいい。きめえから」 みんな「ぎゃははははははははははははははははは」 キョン「悪いな、今日4月1日だったから調子に乗りすぎた」 ハルヒ「何考えてんのよバカ・・・」 キョン「おま・・・うっ(泣き顔モエスwww)」 ハルヒ「何よ・・・」 キョン「いや、その顔もかわいいなと・・・」 ハルヒ「・・・信じらんない///」 キョン「・・・と言うとでも思ったのか? だいたいちょっと優しくされただけですぐ顔を赤らめるな気持ち悪い。 じゃあ俺は帰るからな。」 バタン ハルヒ「・・・・・・・」 ハルヒ「あ、あのさ、今度のSOS団の活動なんだけど」 長門「…………フッ」(嘲笑) 古泉「あのう、誰に話しかけているんでしょうかね、彼女は?」 みくる「さあ、独り言じゃないですか?」 キョン「SOS? まだ言ってたのかよwww寒っwww」 ハルヒ「あ・・・上靴が。。。」 ~朝会~ 担任「え~涼宮さんの上履が無くなってしまったそうです。 見かけた人がいたら涼宮さんの所に届けてあげください。」 クラス一同「クスクス」 朝比奈「そうですね、許してもらいたかったら以前あなたが 私にしたこと全てをあなた自身も体験して下さい。 まずはコンピ研からですね」 ハルヒ「……え?」 キョン「っくははははは! そりゃいいや、行って来いハルヒ」 古泉「コンピ研で何があったんですか?」 長門「セクハラ」 一同「誕生日おめでとー」 キョン「・・・何て言うと思ったか?」 朝比奈「わーすごーい。勘違いして生きていけるって幸せですよねーww」 小泉「一度入院されたほうがいいのでは?」 長門「死ね。氏ねじゃなくて死ね。」 ハルヒ「・・・・・・・・・・・・」 ハルヒ、クラスメイトからの疎遠増幅 不注意からみくるを大怪我させSOS団からも疎外 映画部、PC部にかけた損害が生徒会に周りSOS団強制解体 それでもどうにかSOSのメンツを集めようとするが誰一人集まらず そしてハルヒは「毎週土日になると街をさまよう電波女」として都市伝説になった キョン「おーい サッカーしようぜ」 古泉「いいですね 実は最近、新しいボールを買ったんですよ その名も・・・涼宮ボール!」 そこにはロープで雁字搦めにされたハルヒの姿 口を糸で縫い付けられているので 喋ることができないようだ 古泉「このボールをよく飛ばすにはちょっとしたコツがありまして」 キョン「ほう どうするんだ?」 古泉「この部分を力いっぱい・・・蹴る!」 そう言うと古泉はハルヒのみぞおちを思いっきり蹴り飛ばした ハルヒ「・・・・!!」 口の隙間から液体が溢れ 糸が赤く染まる 古泉「あらら・・・ボールが裂けてしまったようですね」 キョン「ははは 水風船みたいだな」 キョン「ハルヒ誕生日おめでとう、意地悪して悪かったな」 ハルヒ「そんなのいいのよ~!ありがと!キョン、みんな!」 古泉「さあ、ロウソクの火を消してください、涼宮さん。」 ハルヒ「そうするわ、(フゥー)」 キョン妹「消えた消えたー♪」 キョン「ハルヒの生命もこの火の様に早く燃え尽きてほしいよな」 みんな「ぎゃははははははははははははははははは」 長門「ww」 ハルヒ「なにこれ・・・まさかドッk」 みくる「ドッキリなんかじゃないですよ、現実なんだよぉっ!!」 古泉「あぁ…いけない。 ちょっと忘れ物をしてしまいました。 取ってくるから待っていて下さい。」 ハルヒ「分かったわ。」 ――――――――――――5分―――――――――――――10分――――――――――――――――20分―――――――――――――――30分――――――――40分――――50分―――――――― ハルヒ「遅いなぁ…」 キョン「お前黒いな…」 古泉「クスッ…それはお互い様でしょう…。 さぁ早く行きましょう。遅れますよ。」 ――――――――― ハルヒ「……おそい…なぁ…」 古泉「ちょっとシャーペンお借りしますよ。」 ハルヒ「え?あ…うん」 キョン「俺も借りるぜ。」 長門「借りるよ。」 みくる「私にも貸してね。」 ハルヒ「ぇ?ぇ?…… …私の分が…無くなっちゃう…」 古泉「ぇ? あなたには別に必要ないでしょう。クスクス…」 キョン「激しく同意。」 ハルヒ「…………」 ハルヒ「キョン、ちょっときなさい!」 キョン「は? なんで俺がお前の言うこときかにゃならんのだ」 ハルヒ「うるさいわねぇ! いいからついてきなs」 キョン「うるさいのはお前だ。きゃんきゃんきゃんきゃん喚きやがって」 ハルヒ「な、なによ! アンタなんかが私に……」 キョン「鬱陶しいんだよ、マジで。もううんざりだ、お前に付き合うのは」 ハルヒ「わ、私だって……う、うんざりよ! アンタなんかとは、もう口きかないんだからね!」 キョン「ああ、そうしてくれ。というか、そのつもりだ。わかったら俺に近寄るな」 ハルヒ「あ、アンタがどっか行きなさいよ!」 キョン「へいへい。じゃあな、馬鹿ハルヒ」 ハルヒ「…………っ……なによ、馬鹿……」 涼宮ハルヒの構造 キョン「なあ、古泉、何でハルヒは憂鬱の後、あんまり活躍出来ないんだ? 古泉 「おや、あなたは、またあの灰色の空間に閉じこめられることをお望みですか?」 キョン「いや、もう二度とゴメンだ・・・」 古泉 「要するにこの物語における涼宮さんの役割は終わってしまったのですよ。 彼女は平凡な高校生であるあなたをキテレツな言動と行動で振り回し、 あげくの果てに暴走し異世界へ拉致監禁までしようとした。 そこで、窮地に陥ったあなたが王子様のキスをして彼女の目を覚ましてあげたのです」 美しい話じゃないですか。 つまるところ、彼女があなたに与えられるお話など もう、じれったいラブコメくらいしか残っていないのですよ」 キョン(ハルヒ、えらく、ひどいこと言われてるぞ・・・) ハルヒ「ちょっと来なさい!」 キョン「何か言ったかトラブルメーカーさんよ。」 ハルヒ「はぁ!?あたしが・・・」 古泉「キョン君もあなたのわがままにつきあわされるのがいやだと言ってるんです。 わかりませんか?(ニコニコ)」 ハルヒ「そ・・・そん」 キョン「そういうことだ。古泉、帰るぞー」 古泉「わかりました。」 キョン「二度と関わるなよ、トラブルメーカーさん。じゃあな。」 ハルヒ「あたしが・・・トラ・・・いやぁぁぁああああ」 今日もSOS団から無視をされたハルヒ。 自宅の部屋のベッドで泣きながらうなだれていると、机の上に置いた ハルヒの携帯のランプ部分が点滅しているのに気づいた。 人から電話やメールなどは滅多にこないので、いつもマナーモードになって いるため、偶然机に目がいっていなかったらきっと朝まで気づかなかった だろう。 ハルヒ「このメール・・・キョン・・・バカ・・でもありがと・・」 メールの送り主はキョンからのもので、メールにはこう文面がつづられていた。 Title:ハルヒへ さいきん冷たくしてごめんな。 っていっても、あれは本当はみんなの演技なんだ。 さいきんハルヒがみんなにわがままばかり言うから、ちょっ とお前をからかってやろうと思ってたんだ(笑) しつれいなことをしたと今は思ってる、本当にごめんな。今日はもう ねるよ、また明日学校で。SOS団の活動もがんばろうぜ。俺も ボーっとしてないで、ちゃんと活動に参加するからさ。 ケッセキなんてするなよ、お前がいないとつまらないからさ(^▽^) キョンより。 キョンに勇気付けられたハルヒは、明日からは心を入れ替えて頑張ろう、と 心から思ったのだった。 ――――― まとめてる人「ヒント:縦」
https://w.atwiki.jp/haruhioyaji/pages/307.html
ハルヒ先輩6から 「随分、成績も上がってきたな。これだと外の学校を受験しても十分勝算があると思うが」 「外の大学なんか行かないわ」 「……この進路志望調査票なんだが、第1志望から第3志望まで『ハルヒの嫁』っていうのは?」 「あ、それ、あたしが書いたの」 「……涼宮、なんでお前がここにいるんだ? なんで一昨年と同じ会話を、おれとお前はやってるんだ?」 「だって、これ、キョンの三者面談でしょ? あたしの時と事情は同じじゃないの」 「三者ってのは、本人と親と教師のことだ。おまえは何だ?」 「キョンの嫁よ。英語で言えばベター・ハーフよ。こいつの成績に関しては、あたしも責任があるし。あと、これ、キョンのお母さんからの委任状。ちゃんと話はつけてあるわ」 「あの、先生。ハルヒにはあとでよく言っておきますんで。とりあえず内部進学を希望するということで」 「すまんな、キョン」 「なによ、あたしが悪者みたいじゃないの! キョン、別によその大学受けてもいいわよ。あたしも同じとこ受けなおすから。東大でもハーバードでも好きに志望しなさい!」 「誰もおまえを悪者だなんて言ってないし、思ってない。俺の成績がここまで伸びたのは、ハルヒのおかげだし、おれのこと心配して今日も付いて来てくれたんだろ? それより、おまえの方こそ、どこか行きたい大学とか、やりたいことはなかったのか? なんか、おれと一緒にいるばっかりに、おまえを足止めしたんじゃないかって、思うことがあるんだ。おまえはいつも言下に否定するけどな」 「このお、バカキョン! あたしはあんたのために、なにひとつ我慢してもいなけりゃ、諦めてもいないわ! 自分にとって一番大事なことを、素直に優先してきて、そうやって今があるの! あんたといるのもそう! あんたの成績が上がるように、いろいろやったのもそう! この先、何かやりたいことを思いついたら、あたしはきっと、万難なぎ倒して、やりたいことをやるわ。でも、あたしはあんたとずっと一緒にいたいから、その時はキョン、あんたを説得してでも泣き落としてでも、引きずって行くから、覚悟しときなさい!」 「わかった。楽しみにしとく」 「楽しみじゃない、覚悟よ、覚悟」 「だって、どこに行くにしたって、ハルヒ、おまえといっしょなんだろ」 「キョン……。って、これ以上、あたしを萌えさせてどうするつもり!?」 「あー、すまんが二人に行く末が決まったところで、次の奴と交替してくれないか」 「あ、すいません。行くぞ、ハルヒ」 「まちなさい、キョン。それじゃ話が逆でしょ!」 「なに、ぼーっとしてんの、キョン?」 「ああ。ただの考え事だ」 「一人でうじうじ悩むんじゃなくて、あたしにどーんとぶつけて来なさい!」 「いや、悩み事じゃないんだけどな。三者面談って進路のこと話すだろ?」 「やっぱり、あたしが行ったの、よくなかった?」 「そうじゃなくて、決めてる奴はさ、医者になりたいから医学部へ、弁護士になりたいから法学部へ、とかそういう話をするんだろうな、ってちょっと考えてた」 「ふーん?」 「進路と未来というか将来が、直結してる奴もいるってことだ。おれの場合、そういうの、ないな、と思ってな」 「ちょっと、あんた、さっきと話が違うわよ。あんたの進路と未来も直結してるわよ」 「そうだな。進路先でも将来でも『ハルヒと居る』、それは変わらない。でも、たとえば、どんな仕事して家族を食べさせていくんだろうとか、おれにはまだ、そういうの全然ないな、と思ったんだ」 「そんなの高2で決まってる奴の方が少ないわよ」 「進路はとりあえず、将来は未定、ってのも悪くないけど、おれの場合、確定してる部分が人よりでかいから、その次の話にどうしても頭が進んじまうんだ。ハルヒとの暮らしをどうやって支えていこうかとか、生活じみてるが、そういうのを。悩んでる訳じゃないから心配はするな。でも、ちゃんと考えなきゃいけないって思ってる」 「……キョン」 「いや、ハルヒ、頭は撫でなくてていい。むしろ撫でないでくれ」 「大丈夫。禿げても、あたしの愛は変わんないわ」 「そっちかよ! いや、こんな髪質だけど、禿げるとは限らないだろ!」 「……意外と気にしてたのね。まあ、あたしも考えてないように見えるだろうけど、実はいろいろ考えてるわ。ううん、ついつい考えちゃうと言った方が正確ね」 「そうなのか?」 「多分、あんたと出会ったからよ、キョン。あたしだけだったら、今でもあたしには『現在』しかなかったと思うわ。その時のあたしも嫌いじゃないけどね」 「ハルヒはどんな風に考えたりするんだ?」 「あんたと別れることになったら、とか、あんたがいなくなっちゃったら、とか」 「おい、ちょっと待て、ハルヒ」 「そういう夢を続けて見たことがあってね。大長編だったわ。あたしはあんたを、あんたとのいろんなことも、忘れようとして、長い長い旅をするの。でも忘れられなくて、なんであの時ちゃんと『好き』って言わなかったんだろう、とか、なんで素直に『行かないで』って言わなかったんだろう、とか、延々と後悔するの。……夢よ、夢の話よ。目が覚めて、夢だと気付いて、あーよかったと思ったわ。寝ながらボロボロ泣いてたから、目なんか真っ赤ね。こんな顔、あんたに見せたくないけど、そんなことであんたに会わないなんて我慢ならないから、徹夜したとか嘘ついたりしたわね」 「覚えてるぞ。なんだよ、そう言う時は、胸ん中にためたりせず話せって、お互いに言ってるだろ」 「さすがに、『夢の中で素直になれなくて、あんたと別れて泣いた』とは言いにくかったのよ。付き合い出してすぐだったし。あんたをあたしの好き勝手に引っ張り回してるけど、あんたはやさしいんでぶつぶつ言いながらも付き合ってくれてるけど、この先どうなるかわからないって、きっと内心不安だったんだと思うわ。悪夢はそういう弱みにつけ込んで来るのよ」 「確かに、そういうものかもしれないけどな」 「でもね、悪夢に泣かされっぱなしにはさせなかったわよ、キョン! 確かにあたしは不安だったわ。でもね、この不安は、あたしがキョンに『好きだ』と告白したから、今一緒にいてすごく幸せで充実しているから、はじめて感じる不安よ。悪夢が見せるような『言えなかった』『素直になれなかった』っていう後悔とは大違いよ! その後悔の前に、夢の中のバカなあたしは『告白して断られたら』とか『素直になってもダメかも』っていう不安を抱えてたんでしょうね。だから、その娘は、かつてのあたしに似てるけど、今のあたしとは全然ちがう。あたしはもう、ちがう道を歩いてるわ。夢のあたしが立ち止まった崖っぷちを、あたしは踏み切ってジャンプして渡って来たの! 悪夢もお門違いもいいところよ!」 「ハルヒ……」 「今はね! あんたと一緒に明日はどうしよう、明後日は、1年後は、10年後は、とどんどん考えが膨らんでいくの。それに、昨日はキョンとこんなことしたわね、一昨日はこれ、1ヶ月前は、1年前は……ってね。過去や未来の存在意義がようやくにしてわかってきた感じよ! 加えて、今現在も、あたし史上最高に充実しているわ……って、キョン、何、笑ってんのよ?」 「いや、ハルヒにはかなわないな、って思ってるだけだ」 「その割には、お腹抱えて笑ってるわよ、キョン!」 ハルヒ先輩8へ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3419.html
「・・・・・・・・・・なんでよ?あたしのこと嫌いなの?」 ハルヒが泣いている・・・・いつもの笑顔からは想像も出来ない泣き顔 俺はハルヒを悲しませてしまったのか、あの太陽のような笑顔を守ってやれないのか 「そんなことない!好きだ!・・・・でも今は・・・・・・」 俺がハルヒと付き合い始めてから早1ヶ月。変わったことと言えば毎日一緒に登校してるってことと、日曜日の勉強会が午前になって午後からはデートになったってことぐらいだ ・・・・・・そうそう、どうでもいいことかもしれんが俺にはうれしい変化がもう1つあった。ハルヒのポニーテール仕様率の異常なまでの上昇だ。髪をバッサリ切ってしまう前のポニーの長さには到底届かない、言うなればチョンマゲのようなポニーだが、そこがまた可愛い!抱きしめたくなる衝動に駆られるね、正直言って・・・・・・・俺って変態だな 「・・・・・・・って有希は言うんだけど、みくるちゃんはね・・・・・ってあんた聞いてるの?」 「ん?あぁ聞いてるぞ。で朝比奈さんは何て言ったんだ?」 「なんだ、聞いてたんだ。間抜けな顔してたから回想にでも浸ってたのかと思ったわ」 するどいな・・・・・やっぱり心が読めるんじゃないか? 「なんだかんだ言ってもキョンはあたしの話を聞いててくれるから大好きよ!」 コラ!登校中にそんな大声で「大好き」発言するんじゃありません・・・・・・はぁ、周りの目が痛いぞ 「別にいいじゃない、付き合ってることなんて皆知ってるんだから」 ハルヒのとんでもパワーは今でも健在。古泉の機関の推測である、俺と付き合えば力も消えるってのは大外れで長門曰く増大したそうだ。その証拠がこの「皆知ってるんだから」である 話は遡ること1ヶ月前・・・・・・ 「よう!キョン・・・・・お、嫁も一緒か」 空気の読めない男No.1(俺予想)の谷口・・・・・うわぁ、ハルヒがトマトだ 「だだだだだだだ誰が誰の嫁よ!ぶっ殺すわよ」 言ってることは連続殺人鬼並なのに顔がニヤケてますよ 「いて!蹴るこたぁないだろ・・・・・だって付き合ってるんだろ?」 「あれ?谷口。お前、何でそのこと知ってるんだ?俺は誰にも言ってないぞ?・・・・・・ってまさかハルヒ、皆に言いふらしたのか?」 「そんな非人道的なことあたしがすると思う?」 いや、朝比奈さんに強制わいせつしてるが、あれは人道的行為なのか?他にも挙げたらキリがねぇ 「何ブツブツ言ってるのよ!とにかくあたしは、言いふらしたりなんかしてないわ」 「だよな・・・・スマン、ハルヒ。疑ったりして」 「べ、別にあんたが謝る必要なんてないわよ・・・・あたしを好きでいてくれればそれで・・・・」 「・・・・・・・・・・ハルヒ」 「・・・・・・・・・・えぇっと・・・・・・・・俺、先行っていいか?」 谷口は相当イライラしてるみたいなんだが・・・・・正直スマンかった 「いや待て。誰から聞いたんだ?その付き合ってること」 「・・・・・・ん?そういえばそうだな。特定の誰かから聞いたって訳でもねぇし」 「はぁ?誰からも聞いてないのに知ってる?なんじゃそりゃ」 「いやぁ、俺も不思議なんだが自然とそう思ってたよ」 「不思議?!」 あぁ、ハルヒの目が輝いてる・・・・谷口、ご愁傷様 「ちょっと谷口!その話詳しく聞かせなさいよ」 谷口はネクタイを掴まれて・・・・カツアゲされてるみたいで可哀想で助けてやりたいのは山々なんだが確認しとかないとかけないことも出来たしな 「ハルヒ、先行くぞ」 ・・・・・・不思議となれば俺の言葉も耳に入らないのか?まぁ先行くか 「・・・・・ふんふん、なるほどね。キョンはどう思う?ってあれ、キョンは?」 「先行ったみたいだぞ」 「何で言わないのよ!この役立たず!」 「いてー!蹴るなよ・・・・・殴るのもなしだって」 「長門、いるかー」 「・・・・・・・・・・・・・・・何?」 なんか朝は三点リーダーが多いな・・・・・長門も朝は苦手なのかな? しかし、こんな朝早くから団室にいるなんて、流石長門だな 「ちょっと聞きたいことがあるんだが、いいか?」 「・・・・・・・・・・・・・・・いい」 やっぱり機嫌悪くないか?昼休みでもいいんだが・・・・ 「・・・・・・・・・怒ってなどいない・・・・・・・・・早く話して」 やっぱり怒ってねぇ?微妙に目が恐いんだが・・・・・ 「そのことについては情報統合思念体も把握している。涼宮ハルヒの力によるもの」 まぁ、想像はしていたが・・・・・で、何でそうなったんだ 「情報統思念体の見解によると、涼宮ハルヒはあなたと恋愛関係にあることを世間に知られることで、あなたを他の女に取られることを防止したと思われる」 「なるほどね・・・・そんな可愛い一面もあるんだな」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 ・・・・恐いから睨まないでください 「で、なんでそのことを俺に教えてくれなかったんだ?」 「現実、事実を捻じ曲げた情報の書き換えはなく、また時間が経てば現状と同状態になると予測されたため」 「なるほどな・・・・納得したよ。ありがとよ」 「・・・・・・いい」 「・・・・・・でね、そしたら今度は有希が・・・・・って聞いてる?」 「聞いてるって、長門がなんだって?」 「フフフ・・・・・・やっぱりキョンはキョンね」 「どういう意味だ、それ?」 「そのまんまの意味よ!」 ・・・・・・・・わけわからんぞ、それ 俺とハルヒのラブラブっぷりは自分で言うの変だが常軌を逸している そのことが顕著に現れるのは授業中と団活中、それにデート中だ 「・・・・・・・・・」 授業中はずっと後ろから視線を感じる。まぁ後ろからって時点で視線の元はハルヒで間違いないんだが・・・・・それにしてもこの席順、変わらないな 「・・・・・・・・・何見てんだ?」 「キョンの背中って案外大きいのね。頼りになりそうね」 「そうかい、そりゃぁどうも」 授業中だというのに、こんな惚気た会話をしてて、よく自分が恥ずかしくないよな しかし、この学校の教師はどうなってるんだ?これだけハルヒとお喋りしてるっていうのに注意の一つもしてこやしない ・・・・・・もしかして、またトンデモパワーで「ラブラブ遮蔽シールド」とか張ってるんじゃないだろうな・・・・・いや、ハルヒならやりかねん まぁこのくらいは許せる範囲なんだが、やっかいなのが団活中だ 授業中にいちゃいちゃ出来ないのが不満なのか放課後の団活ではその不満を爆発させる 「ねぇ~キョン~・・・・キョン~・・・・・・」 だー!耳元でそんな甘い声で囁くな!!理性よ頑張れ!! 指定席だったデスクトップの置いてある団長席は今はただのパソコン台に成り下がり、ハルヒは俺の隣に座って、俺を弄ったり古泉とのボードゲームを観戦したり俺を弄ったり雑誌を読んだり俺を弄ったりノートパソコンでネットの世界にダイブしたり俺を弄ったり俺を弄ったり・・・・ つまり何だ・・・・・俺の理性を崩壊させたいだけなのかもしれん。こいつの悪戯心にはまいるよ。こんなこと毎日されてたら理性なんてあったもんじゃないぞ まぁデートの様子なんて実況しなくてもわかるだろうし、実況なんてしたくもねぇ いわゆる唯のバカップルってことだ そんなハルヒもバカップルっぷりを唯一振舞わないのが土曜、つまり今日の不思議探索のときだ クジでの組み合わせ決めで、俺はてっきり毎回ハルヒと2人きりになるとばかり思っていたんだがそうではないらしい。きちんと確率論に則った結果が毎回提示される ここぞとばかりにハルヒパワーじゃないのか?こういうところで力を発揮して欲しいね 「大丈夫。わたしがさせない」 ・・・・・・・・・・長門?! ・・・・・・・・・偶然だよな? 偶然なのかハルヒパワーなのか情報操作なのか規定事項かはしらんが今日の午前のペアはハルヒとだった。でも何かが違った。しいていうなら風邪をひいたハルヒってところか?いつもの猪突猛進さがないというか「キョンとね!じゃぁ行くわよ!」と言って手でも引っ張っていくと思ったんだが・・・・・そういえば付き合い始めてからはペアになるの初めてだな なんだかしおらしいハルヒをつれて街中をぶらぶら・・・・傍から見ればただのデートなんだが、いつのまにか例の川沿いを歩いていた なんかハルヒも元気がないことだしベンチで一休みするか 「なぁ・・・・今日のお前、元気がないな」 「そ、そんなことないわよ!いつも通りよ」 「・・・・・・・・そうか、ならいいが」 「・・・・・・・・・ねぇ、キョン。あたし達って付き合い始めてから1ヵ月経ったわよね?」 「ん?あぁそうだな」 「キスもたくさんしたわよね?」 「・・・・・まぁ・・・・・・・・・・したな」 「あたしのこと愛してる?」 「そりゃぁ勿論愛してるぞ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・そう」 何が言いたいんだ?やっぱり何処か変だ。少しどころではない。大分おかしい 「キョン・・・・・探索が終ったら家に来て」 「家って・・・・・・・ハルヒの家か?」 「うん」 「そうか・・・・・・・・わかった、行くよ」 「ありがとう・・・・・もう時間ね。皆の所に戻るわよ」 おかしい。おかしいことに間違いはないのだが・・・・・それにしても直接家に呼び出すなんて、よっぽど大事な話があるに違いない・・・・・・・別れ話なんて勘弁だぜ? 「さて、涼宮さんがいなくなりましたので・・・・・大事な話があります」 「お前の、その「大事な話」とやらはどうせ俺を巻き込む事態なんだろ?」 「何故そう思われるのですか?」 「この面子で話し合うことなんざ、どうせ俺が疲れる仕組みになってるに違いない」 「まぁとりあえず話だけでも・・・・」 午前のおかしなハルヒは朝比奈さんを引き連れて午後もおかしなまま2人で人ごみへと消えていった。つまり俺のペアは長門に古泉だ 俺たちはいつもの喫茶店の前で別れる振りをして再度入店した。なんでもこの店は機関のものらしく、聞かれたくない話を存分に出来るらしい。 「端的に申し上げますと、今朝のペア決めで凉宮さんとあなたがペアになられたとき閉鎖空間が発生しました」 なんだと?閉鎖空間ってあの閉鎖空間か?ハルヒがストレスを感じてたってことか? 「いえ、今回はそのような理由ではなく、また通常の閉鎖空間ではないようです。僕は機関からの報告を受けただけで実際に見ていないので詳しいことは分からないのですが、閉鎖空間内を覗ける長門さんに、ここは説明を任せます」 「了解した」 長門はそんなことも出来たのか・・・ 「通常の閉鎖空間と違う点は2つ。1つは空間範囲の狭さと拡大する気配がないこと。2つめは神人の活発な活動が認められない」 あの神人が活発に破壊活動をしていない?想像も出来んな・・・ 「神人は出現してから約3時間の間、ただうずくまって座っているだけ。破壊活動もしなければ身動きすらしない」 「そんな神人が出たのか・・・で機関はどうするんだ?」 「えぇ、そのことなのですが・・・・触らぬ神に祟りなしとも言います。しかし放っておけば何時までも閉鎖空間は消えませんし、何時拡大を始めるかもわかりません」 「そうか・・・・・・で俺はどうすればいいんだ?」 「そうですね・・・・なにか涼宮さんについて変わったこととかはありませんでしたか?」 「変わったところと言えば・・・・・どこか元気がなかったぞ」 「元気がない・・・・落ち込んでいるのでしょうか?」 「そのような感情の観測はなされていない・・・・言うなれば・・・不安になってる?」 不安?ハルヒが・・・本当か、それ 「宇宙人、嘘つかな~い」 長門・・・・キャラ変わってるぞ 「さて、これからどうしましょうか。僕としては探索が終ってからでも充分対策がとれると思うのですが・・・・どうです、長門さん」 「問題ない。探索終了後わたしのマンションで検討会を実施する」 そうかい。頑張ってくれよ 「何を言っているのですか。もちろんあなたにも参加してもらいますよ」 いや、俺はちょっと用事が・・・・ 「世界とその用事とどちらが大事なのですか?」 そりゃぁハルヒも大事だが世界が終ってしまえば元も子もないか・・・・ 「わかったよ」 「わかっていただけてよかったです。では探索終了後、1度別れる振りをして長門さんのマンションに集合ということで」 「はいよ」 「了解した」 「では探索に参りましょうか」 「今日の探索は終了!解散!」 ハルヒの一声で今日の探索とは名ばかりの活動も終了し俺も帰宅する振りを 「さ、行くわよ」 そうでした。呼び出し喰らっていましたね しかし古泉にも言われたとおり世界のほうが優先されるべきなんだろうな・・・・世界崩壊の原因が目の前にいるとは 「あぁ、そのことなんだが。スマン、実は用事があってな」 「・・・・・・なによ、あたしより優先すべきことなの?」 「まぁそういうことだ」 「その優先することってなんなのよ!」 しまったな、言い訳を考えてなかった。まさか本当のことを言うわけにもいかないし、かと言ってハルヒに俺の考えた嘘が通じるとも思えないし・・・・・ 「黙り込んじゃって、ますます怪しいわ」 しょうがない。本当のことを全部言うわけにはいかんが・・・・ 「実は長門の家に呼ばれてるんだ」 「・・・・・え、有希?」 「・・・・・・・なんであたしより有希なのよ」 え?俺の目の錯覚か・・・・ハルヒの大きな目から1滴、2滴と大粒の涙が滴り落ちてゆく 「あたしより有希なの?・・・・・・・・あたしのこと嫌いになっちゃったの?」 「違う!そんなんじゃない・・・・・ハルヒのことは好きだ!」 「そんなの嘘よ!もういい!!」 そう吐き捨てたハルヒは走っていってしまった。こんなの常識的に考えて追いかけるだろ?世界なんて二の次だ 「みっみっミラクル~み~くルンルン!」 「発信者:古泉一樹(グループ:SOS団)」 そう俺の携帯のディスプレイが表示している。いいタイミングだな 「・・はぁ・・・・はぁ・・・・・古泉か?」 「ええ。緊急事態です。閉鎖空間が急速に拡大し始めました」 まぁそうだろうな・・・・・あんなにハルヒが怒って泣いていたんだ 「はぁ・・はぁ・・・・・そうか・・・・・はぁ・・・・悪いが俺は行けそうにない・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・理由は・・・・・・・・・・後で」 「なんとなく状況は察しました。世界崩壊の危機を脱っすることが出来ましたらそのとき・・・では」 話のわかる仲間を持つと助かるぜ 「・・・・・・なんであたしの部屋に入ってきてるのよ」 「おまえが来いって言ったんだろ?」 ・・・・なんてのは嘘で夢中で追いかけてたらハルヒの部屋まで来ちまった 「だってあんたは有希のところに行くんでしょ!」 「いや違うそれは・・・・」 「それは何よ!だいたいあんたはいっつも有希やみくるちゃんばっか見てデレデレしちゃって、あたしのことなんてちっとも見てないじゃない」 「なに言ってるんだ!俺はしっかりお前のこと見てるぞ!」 「・・・・・・そんなの嘘よキョンはあたしのことを見守っててはくれないわ」 「いいや、嘘じゃねぇ!お前のことを守って見せる」 「そんな約束いつまで続くかなんてわからないじゃない!」 「約束する。いつまでもおまえのこと見守っててやる!」 「・・・・・・?!ちょっとキョン、それって」 「俺は世界とハルヒを天秤に掛けてもハルヒをとる!何があってもハルヒを守ってみせる!」 「・・・・・・・・・・本当」 「あぁ、本当だ」 「・・・・・・・・まぁいいわ。今回は信じてあげる」 はぁ、よかった・・・・ってそういえば古泉たちは大丈夫なのだろうか 本当にハルヒの方の天秤をとったわけなんだが・・・・ 「・・・・・・ねぇ、キョン。知ってる?」 何がだ? 「今ね、この家にいるのキョンとあたしだけなのよ?」 そ、それは拙くないか?男と女が二人っきり・・・・・ 「別に拙くなんかないわよ。あんたさっき自分で言ったこと忘れたの?」 さっき言ったこと・・・・なんのことだ? 「はぁ?あんた覚えてないの?あたしを一生・・・・・・まぁいいわ、キョンはやっぱりキョンね」 ・・・・・・・・なんのこっちゃ 「ここは再構築世界とかじゃないよな?」 「えぇ、おそらくは・・・・ですよね?長門さん」 「そう」 ハルヒを泣かしてしまうという事件もようやく一段落ついたその日の深夜、ようやく長門のマンションに来れた。本当はもっと早く来るつもりだったんだが、泣き疲れたハルヒは俺を抱きかかえたまま寝てしまった 別に腕の中から逃げてこられなくはなかったんだが・・・・・気持ちよさそうな顔だったから、つい見とれていこの時間だ 「・・・・・・・・可愛い寝顔だな」 「!?・・・・・Zzz・・・・」 あぁ、こいつ起きてやがる・・・・顔が真っ赤だ 「お前、起きてるだろ」 「・・・・・なんでわかったのよ」 「そりゃぁいつでも見守ってるからな」 「・・・・・・・・キョン」 「そういやぁ親はどうしたんだ?」 「・・・・・あんた雰囲気ってものを知らないの?」 「なんのことだ?」 「はぁ・・・・・・親は親戚の結婚式に行って夜まで帰らな・・・・ってもうこんな時間じゃない!何で起こさないのよ!!」 「可愛い寝顔だったからつい・・・・」 「バカこといってる場合じゃないわよ、本当に帰ってきちゃう。キョン、早く帰る支度して!」 別に「あたしの彼氏よ」とか紹介されてもいいんだが・・・・ 「バカいってないでさっさと帰る!!」 ってな具合に家を追い出されてしまった 「そうか・・・・じゃぁ、今回の種明かしをしてもらおうか」 「種明かし・・・・ですか。結論から言いますと、男には女の気持ちはわからない・・・・でしょうか」 全然結論になってないぞ、古泉。ちゃんと説明しろよ 「僕も男ですし、今回の騒動は長門さんにご説明をお願いいたします」 「了解した」 長門って、その台詞多いな・・・・・ 「凉宮ハルヒが不安になっていな要素はたった1つ。あなたとの関係」 「俺との関係?」 「凉宮ハルヒがあなたにしようとした行為によってあなたとの関係が壊れることを危惧し、その葛藤の中で例の閉鎖空間を発生させた模様」 行為?行為ってなんだ? 「・・・・鈍感」 「いやぁ、あなたがそこまで鈍感とは」 「・・・・・わるかったな」 ハルヒが俺としようとしたことぐらい俺にだってわかるさ。付き合って1ヶ月、キスも充分した、愛してる。でも気づくのが遅かったな。スマン、ハルヒ。やっぱり女の考えてることは男には到底わからないものなのさ・・・・・でもちゃんとわかるように努力はするよ 「・・・・な、なによ!じろじろ見て」 「いいや、別に。俺はただお前を見守ってるだけだ」 「・・・・・・・あんた、よくそんな恥ずかしい台詞が言えるわね」 お互い様だろ 「そんなに見られてたら答え合わせに集中できないじゃない!」 今日は土曜探索の翌日、日曜日だ。予定通り午前中はハルヒと勉強会中・・・・と言っても、もう終るんだがな 「・・・・うん、よし。今日はこれでおしまいね。お疲れ様」 「お疲れ、ハルヒ。いつもありがとな・・・・・午後はどこにデートに行きたい?」 「・・・・・あたしの家に来ない?」 ・・・・・・親に紹介でもするのか? 「んとね・・・今日も家に誰もいないのよ」 「それってまさか・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・バカ」 good end… 「いやぁ今回は出番が結構ありましたね」 「いっぱい喋った。ユッキーがんばった」 「あのー・・・・・わたしは?」 作者「空気乙wwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 「貴様、【禁則事項】で【禁則事項】して【禁則事項】するぞ!」 作者「アッー!!」 bad end…